見上げれば、そのすべては自由なのだから  GOLD EXPERIENCE: 世界を旅する黄金体験
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ワット・ポーと黄金の巨大涅槃仏
以前の記事で黄金の涅槃仏だけは紹介したのですが、今回はそれも含めて、黄金の涅槃仏を祀る“ワット・ポー”(Wat Pho)という寺院をクローズアップしてみました。ワット・ポーに焦点を当てることで、タイの寺院建築の1つのスタイルが見えてくるからです。

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手入れの行き届いた境内が印象的な、ワット・ポー。

ワット・ポーは、「菩提の寺」という意味で、1788年にラーマ1世によって建立された王室寺院。チャオプラヤー川沿い、王宮“ワット・プラケオ”(Wat Phra Kaeo)の並びにあり、以前の記事で紹介した“ワット・アルン”が川を挟んだ向かいに建っているので、この一帯は正にゴールデン・トライアングル的な観光スポットになっているんです。

ちなみにワット・ポーの正式名称は、“ワット・プラチェートゥポンウィモンマンカラーラーム=ラーチャウォーラマハーウィハーン”というとんでもなく長い名前なのだそう。こんな長い名前、正確に呼べる人はいるのだろうか・・・。

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黄金の涅槃仏は、タイ版ロンリー・プラネットの表紙にも使われ、タイを象徴するような存在だ。

この寺院の最大の見どころは、ラーマ3世が作った黄金の巨大涅槃仏(寝仏)で、全長46m、高さ15mと、その巨大さもさることながら、金箔で覆われた全身が金色に光り輝き、眼と足の裏には真珠貝の内面が使われているなど、恐ろしく豪華な仕様なので必見なんです。

日本にも仏像はたくさんありますが、さすがにこんなのはないですね~。すごい!

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境内の一角にある、ヨガの行者像。

境内の東側には、様々なポーズのヨガの行者をあしらった像があります。どことなくコミカルで、ホッとする存在です。周囲の緑がそういう雰囲気を作り出しているのかもしれません。

それにしても境内は整然としていて、これだけたくさんの観光客が出入りしているのにゴミひとつ落ちていません。タイの人たちにとっていかに大切な存在なのかが伺い知れます。修学旅行で訪れるどこかのお寺みたいに、仏像に落書きなんかした日には、死刑ですね・・・。

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どっしりと風格のある巨大な関羽像。写真右はタイ様式の鐘。

中庭にある門には中国の三國志の英雄、“関羽”を摸した像が立っています。ワット・ポーは、中国文化とタイ文化の混合様式の代表的な建築物の一つなのだそうで、関羽像をはじめ中国的な要素を取り入れているようです。また、中国様式かどうかは分かりませんが、鐘のようなものも見かけました。形状的にはタイっぽいかな。

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立ち並ぶ巨大な仏塔。

尖ったシェイプとカラフルな表面のディティールで、圧倒的な存在感を誇る敷地内の仏塔は、王や王族の墓のような存在なのだそう。なるほど、これはお墓だったんですね。

ワット・ポーは、バンコクで最も古くからある寺院で、敷地面積は約80,000m²(バンコク最大規模)もある。そのうち一般公開されているのは北側部分(約半分で、南部分は僧房)のみなのだけど、それでも相当な広さで、じっくり回るとかなりの時間が必要。バンコクの強烈な陽射しもあって、長時間歩いて回るとけっこう体力を消耗します。

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近くで見た仏塔の表面。

仏塔の表面には中国製の陶器の破片を使用して模様が描かれています。遠くで、見るとカラフルで細かな彫刻が施されているように見える仏塔も、近くで見るとまた違った印象になります。こんなところにも中国文化との融合が計られているんですね。

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境内に飾られていた花。とてもきれいだったので思わずパシャッ!

タイの遺跡を巡っていると、遺跡内の敷地に時々こんなきれいな花が咲いていたりして、心が和みます。色彩もビビッドで、いかにも亜熱帯のタイらしいテイストなんですよね~。

実はこの寺院、タイ最初の大学でもあり、またタイ式マッサージの総本山としても有名なようです。そのため、タイ古式マッサージの最高機関である“ワットポー・マッサージスクール”が敷地内にあるんです。また、境内東側では、マッサージ場が併設されていて、有料ではありますが、ここを訪れる一般客もマッサージを受けることができます。

バンコクの王室寺院ワット・ポー、いかがだったでしょうか。建立が1788年と比較的新しいこともあり、これまで紹介してきた寺院遺跡とは建築様式なども含めて随分印象が異なる(何より豪華)のですが、より現代的なアレンジが施された現代のタイの寺院のスタイルを見ることができます。特に黄金の巨大涅槃仏はタイを象徴する存在なので、必見です!




2010'02'20(Sat)19:55 [ バンコク ] CM6. TB0 . TOP ▲
バンコクのフリーマーケット
バンコクには、“ウィークエンド・マーケット”(Talat Chatuchak)と呼ばれる、若者たちに人気の大規模なフリーマーケットがあるんです。

このマーケット、毎週土・日曜9:00~18:00)に開かれるので、タイミングさえ合えばバンコクを訪れている旅行者も気軽に見に行くことができるんです。タイならではの雑貨や、手頃な値段の物が多いので、おみやげ探しに足を運んでみるのも楽しいかもしれません。

マーケット内は、衣料・雑貨、陶磁器、古美術品・仏具、アンティーク、軍放出品、古本、ペット、食料品・・・など様々な種類の商品があり、各カテゴリーはエリアごとに分類されています。また、敷地内にはレストランも併設されているので、お腹が空いても大丈夫です。

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休日でも活気溢れるバンコクの街並み。トゥクトゥクも走ってます。

カンボジアからバンコクに戻ってくると、街の活気や規模、近代的な建物やインフラ整備など、あまりの違いに驚きます。そういう視点で見ると、もはやこの国(特にバンコク)は発展途上国とは呼べないのかもしれません。しかし、同じタイ国内でも、バンコクから1歩足をのばして地方を巡ると、まだまだ田舎は貧しいところがあり、先進国とはまた違った趣があります。

旅行者としては、この国のインフラやマーケット、治安などが整っていくことにより、安心して旅行を楽しめるのはうれしい要素であり、同時に素朴な昔ながらの風景が失われていくのは残念な要素でもあります。でも、国が発展し、安定していくと言うことは、そこに暮らす人々の笑顔が見られるということでもあるので、いいことなのではないでしょうか。

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たくさんのバンコクの若者たちで賑わう、“Weekend Market”(Talat Chatuchak)。

さて、さっそくウィークエンド・マーケットに足を踏み入れてみましょう!

マーケット内は見ての通りの大賑わいで、ショッピングを楽しむ若者たちでびっしり。客層は旅行者ではなく、現地の人たちがメインなのに気が付きます。マーケットで扱っている商品を見るのはもちろん楽しいのですが、バンコクの若者たちのファッションを見るのもなかなか楽しいですよ~!特に女性は、ファッションを楽しんでいるようで、お洒落です。

全体的にタイの若者はスリムでスラっとした印象を受けます。個人差はありますが、細身で平均身長も日本人よりも高いような気がします。女性の足元はフラットなサンダル履きが多いので、もしヒールを履いたら、かなりスタイル良く見えるのではないでしょうか。

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マーケット内は人でいっぱい。現地の若者たちのファッションを観察できます。

バンコクの若者たちのファッション、男性も女性も意外とジーンズやスラックスなどのロングパンツを履いている率が高いんです。僕たち旅行者は、日本の真夏以上の暑さを誇るバンコクの気候の中だと大量の汗をかくし、ジーンズをはじめとするロングパンツはかなり履き心地が悪いと感じてしまうので、実際大半の旅行者はハーフパンツや現地で調達したタイパンツ(肌触りのいい薄手のレーヨンなどで縫われた簡易パンツ)を履いているんです。

暑い気候での「着心地」だけを考えるのであればタイ人も同じなわけで、やはりロングパンツを着用することで、お洒落に気を遣っているのだという美意識や価値観があるのかもしれません。特に女性が多いのですが、なかには長袖を着用している人も見かけます。

ちなみに、あるタイの地方都市でのことですが、M65(ミリタリージャケット)を着用しているキメキメの若者を見かけたことがありますが、さすがに猛暑のタイでは浮きまくっておりました・・・。でも、ファッション大好きなのはひしひしと伝わってきましたよ!

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縦長の敷地のマーケットのはずれ。少しは人が空いたかな。

このウィークエンド・マーケット、地下鉄カンペーン・ペッ駅(Kamphaeng Phet)を出てすぐの場所で行われているので、移動はとっても楽。気軽に見に行くことができます。ただ、駅が近いだけに大混雑なので、そこだけ注意です。数人で訪れる際ははぐれないように!

普段の観光スポット巡りでは見ることのできない、現地の若者たちの自然体の姿を見ることができるので、バンコク滞在中、土日があるのであればオススメです。

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バンコクの喧噪から少し離れたストリート。日曜日の午前中は静か。

僕はフリーマーケットで何かを買った、という記憶があんまりないのですが、L.A.に住んでいた頃はパサデナ・ローズボウルハリウッドで行われる大規模なフリーマーケットにはよく行っていました。また、ハーレーやジープで旅をしている時には、途中の街で行われているフリーマーケットやスワップミートを見つけると、よく立ち寄っていました。あとは、ニューヨーク・マンハッタンのフリーマーケットも規模は大きくないですが楽しいです。

どちらかというと古い骨董品の類が好きなので、パリに住んでいた時もクリニャンクールの蚤の市にはちょくちょく足を運んでいました。あまり買わない割には色々なフリーマーケットを訪れているのですが、買わなくても見ているだけで楽しいんですよね。

バンコク滞在中の土日の午前中は、のんびり散歩がてらフリーマーケットを訪れてみるのはいかがでしょうか。もしかしたら何か新しい発見があるかもしれませんよ!




2010'02'17(Wed)19:10 [ バンコク ] CM2. TB0 . TOP ▲
チャオプラヤーを行く
散歩がてら、夕暮れ時のチャオプラヤー川をボートでのんびり下ってみた。

チャオプラヤー川はバンコクの中心を北から南へと流れる、全長370kmにも及ぶ運河で、バンコク市内では、チャオプラヤー・エクスプレスという高速ボートが定期的に運行しているので、旅行者だけでなく現地の人たちの移動手段としても重要な存在なんです。

さあ、大好きなチャオプラヤー川の風景です。

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チャオプラヤー・エクスプレスは中型サイズのボートで、かなりの人数を積載することができる。

チャオプラヤー川には様々なタイプのボートが浮かんでいるのですが、バンコクで暮らす人々や旅行者たちが移動手段として利用するのはこのチャオプラヤー・エクスプレス。

散歩なので、まぁのんびり行こうよ的なノリで Let's Go!

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船着き場や民家が建ち並ぶ、川岸の様子。

以前の記事でも書いたけど、運河はバンコクで暮らす人々の生活と密接に結びついているので、乗る度に様々な発見があります。最も彼等にとっては日常的な風景なのでしょうけど、運河のない日本では、この巨大な川が街の中心を流れているというだけで新鮮です。

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別名“暁の寺”(Temple of Dawn)とも呼ばれる、金色に輝く“ワット・アルン” (Wat Arun) 。

ワット・アルンは街の中心地近くにあるため、チャオプラヤー川を移動すれば、日常的に見ることができます。太陽と重なったときのシルエットは正に金色の寺という佇まいで、素晴らしい情緒があります。また、近くで見ると、無数の陶器の破片を埋め込んだ彩色が施されていて、かなり細かくディティールがあるので、一味違ったワット・アルンに出会えます。

チャオプラヤーの川沿いに佇むワット・アルンの姿は、バンコクを代表する風景として、現在のタイの10バーツ(Baht)硬貨にも描かれているんです。

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陽は沈み、空は紅く染まりはじめる。

なんでチャオプラヤー川を下ってみたかというと、単に夕暮れの時間帯を過ごしてみたかっただけなんです・・・ハハハ。たまには水上から見るバンコクの風景もいいかなぁ、なんて。イヤ、実は大好きなんです、チャオプラヤー川が。妙に心癒されるというか、のんびり景色を見ているだけでも楽しいです。こんな風景なら毎日通勤しても飽きないような気がする。

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絶妙なグラデーションの空と、船着き場のシルエット。

コレコレ、この空の色ですよ!この夕焼けの空が見たかったんです。真っ赤な空。辺り一面紅の世界。太陽が沈んでから暗くなるまでのこの時間帯が最高なんです。

バンコクで一番好きなチャオプラヤー川で、一番好きな夕暮れ時の時間帯を過ごすこと。これぞ至福の一瞬だと思いませんか?これでビールがあれば、究極なのですが・・・。

チャオプラヤー川でのんびり過ごしながら、次の旅の鋭気を養います。




2010'02'16(Tue)21:27 [ バンコク ] CM0. TB0 . TOP ▲
カオサンぶらり
カオサン周辺を歩いていると、旅の途中で出会った「顔見知り」たちと、良く出会う。なぜならここは旅人たちの吹きだまりで、皆アジアの各地を旅してはここに戻ってくる。そういう意味では、ここはいわゆるホームタウンのような場所なのかもしれない。

自国でもないのにホームタウンと表現するのは少々おかしく感じるかもしれないが、ここは刺激と安らぎの2つの顔を持っている、不思議な場所なのだ。旅人たちは、カオサンで偶然の再会(これがまた高確率)を祝しては、夜な夜な飲みにでかける。

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訪れる外国人旅行者に合わせた、多種多様の趣向のレストランが連なっている。

カオサンにはマクドナルドバーガーキングみたいなファーストフードもあるし、セブンイレブンファミリーマートなどのコンビニだってある。お洒落なレストランも山ほどあるので、仲間たちとワイワイ過ごすにはこれ以上の環境はないかもしれない。

カオサンを訪れる旅行者の中には、バンコクに滞在中ここだけで時間を過ごし、帰って行くなどという話も聞くし(実際は少しは他の場所を出歩くだろうとは思うが)、安宿に何ヶ月も沈没している旅行者もいるくらいだ。タイの物価は安いので、贅沢と移動さえしなければ、あまりお金を使うことなく長期間滞在することは可能ではある。

そういう筋金入りの人たちにとっては、もしかしたらカオサン・ロードという場所は、現実の世界から離れた桃源郷のように感じているのかもしれない。僕は一ヶ所に長い期間沈没していたことはないが、なんとなくその気持ちも分かるような気がする。

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カオサン界隈を歩く白人バックパッカーたち。皆、なかなかにお洒落だ。

バックパッカー旅のファッション、僕は比較的自由に楽しんでいいと思っている。カオサンで行き交う人たちをウォッチングしてみると、実際多くの白人バックパッカーは、その国の風土を意識しながらも、ファッションを楽しんでいるのがよく分かる。近頃ではそういった外国人旅行者の影響もあって、現地の人たちもかなりお洒落になってきているように思う。

注意すべきポイントがあるとすれば、「その国の風土に適している」というところだろうか。国や地域によっては、宗教や生活習慣の影響で多少のタブーはあるけれど、そこさえ押さえておけば、基本はお気に入りのファッションでOKだと思う。よほど場違いな服装でなければ、相手も外国人旅行者だからと捉え、寛容に受け入れてくれるだろう。

旅先でのバランス感のあるコーディネートは個々の腕の見せ所だと思うし、旅の経験が増えて行くにつれて、自然とこなれ感がでてくる。だから、現地の人たちから自分が「旅行者」として見られるということを決してマイナスに考えず、むしろ外国人であり、旅行者であるということを大きなメリットだと考え、堂々とした振る舞いでいた方が楽しめるように思う。

もちろん、時々現地の服装などでコーディネートしてみるのも楽しい。要は自由発想で、自らの感受性を解放することが一番大切なことなのではないかと思う。そうすることで、街角のあらゆる要素から新鮮さが伝わってきて、旅の楽しさが倍増するような気がする。

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眠らない街へと変貌する、夜のカオサン・ロード。

カオサンの中心地区。日本の街だとイメージで最も近いのは、東京・原宿の竹下通りだろうか。あるいは竹下通りの道幅を広げて、より無国籍な人種のるつぼにしたような雰囲気か。その中にはバンコクの若者たちの姿も多く見かける。今やカオサンは外国人旅行者だけでなく、バンコクの若者たちのデートスポットにもなっているのだ。

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メインストリートのカオサン・ロードから1歩脇道に入っても、やっぱり賑やか。毎日がお祭りだ。

メインストリートから少し脇道に入ると、ゴチャゴチャしたカオサン・ロードの雑多な雰囲気とはまた一味違った、やや落ち着いた雰囲気のいい店が連なっている。

CDやDVD(海賊版が大半だが・・・)、洋書や和書(ガイドブックなどもある)、シルバーアクセサリー、お洒落な土産物など、夜な夜なショッピングして歩くのも楽しい。また、こちらのエリアの方が、大人が好むお洒落なレストランが点在しているようだ。

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宿の近くのお気に入りの飲み屋。周りは緑に囲まれ、噴水があったりする。

で、僕はと言うと、散々ブラブラした後、結局の所いつものお気に入りの飲み屋に戻ってきて、冷たく冷えたビールで乾杯するのだ。よく冷えた“シンハ・ビール”で乾杯すれば、日中の疲れなど一瞬で吹き飛んでしまう。贅沢な旅の時間を満喫してます。

明日はどこに行こうかなど考えながら、今日もバンコクの夜は更けていく。




2010'02'15(Mon)18:00 [ バンコク ] CM2. TB5 . TOP ▲
カオサンで目覚めた朝
ある朝、深いまどろみ中で目を覚ますと、そこはカオサン・ロード(Khao San Rd.)の一角にある安宿の部屋の中だった。なんだか身体中が痛い。それにしてもあのオンボロバスときたら、一体どう走ったらあんなムチャクチャに振動するんだか・・・昨日の夜中、カンボジア・シェムリアップからの過酷なバスの旅からここバンコクに戻ってきたのだと改めて実感する。

部屋の天井でクルクルと忙しなく回っているファンをぼんやり見つめながら、未だ回転していない頭で昨日の出来事を思い起こす。だめだ、バスの座席で激しい振動に耐えている姿しか思い出せない。しかし胸の奥には、無事に戻ってきたのだという妙な安堵感が満ち溢れている。まだ旅の途中だというのに。重いまぶたをこすりながら、僕はベッドからゆっくりと起き上がった。

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安宿のテラスから見たカオサン周辺の街並みと、カオサンにある寺、“ワット・チャナソンクラム”。

安宿の共同使用の洗面所で軽く顔を洗い、そのまま廊下の突き当たりにあるテラスまで歩いてみる。外には、日が昇りはじめたカオサンの街並みが広がっていた。太陽が顔を出すと、急激に気温が上昇していくのが感じられる。カンボジアとはまた違った暑さだ。そして匂い。タイの街のあの香辛料の匂いが鼻をつく。初めてのバンコクでは刺激的だったこの匂いも、今やすっかり安堵感を誘う匂いになってしまった。あぁ、懐かしい匂いだ。

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カオサン界隈では、道端にたくさんの屋台が出店している。ここはちょうど寺の裏側にあたる。

昨日は夜遅かったせいか、どこも宿がなく、カオサンの安宿の中でも一際ボロい宿に泊まったんだっけ。そんなことを考えながら、剥がれ落ちたコンクリートの階段を下りて、安宿の外に出た。ここはカオサン・ロードの喧噪から少し離れた裏路地だ。

道に出ると、そこかしこに安食堂や屋台があって、相も変わらず旅行者達の溜まり場になっている。そういえば腹が減った。考えてみたら、昨日はまともに食事という食事をしていないことに気付く。さっそく近くの安食堂で朝食をとることにした。

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タイの定番でもあり、アジアの定番ともいえる、“ナシ・チャンプル”。要するにご飯とおかず。

長い間旅をしていると、どうにもこうにも油っこい食べ物がつらくなる。かといって、日本食や中華料理を毎食食べるわけにもいかず、どうしても白いご飯と惣菜のような、シンプルなものを好んで食べるようになってしまう。僕のバンコクでの食生活は、朝はコーヒーやパンなど、近くの安食堂などで適当に済ませ、昼は写真のようなナシ・チャンプルなど現地の食べ物を食べ、夜はちょっと贅沢に仲間と飲みに行くようなパターンが多かった。

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強い日差しがジリジリと肌を焦がす、日中のカオサン・ロード。

ようやく空腹を満たして、久しぶりのカオサン・ロードに足をのばしてみる。まだ午前中のせいか、いつものラッシュアワーのような大賑わいではないが、そこかしこに様々な国からバンコクを訪れている旅行者たちや、現地の人たちが行き交っている。

僕はカオサンが好きだ。もともと都会育ちなので、この街の無国籍な空気は性に合っているし、夜にもなるとここがタイとは到底思えない、あるいはタイはまるでここだけであるかのような強烈なエネルギーを発散するので、なんともたまらない刺激を満喫できる。その上ここは旅行者たちの溜まり場だから、よほど危険なことに関わらない限り、まず大丈夫だ。周りには人種は違っても、自分と同じ旅行者たちでいっぱいなのだから。

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カオサン周辺の通り。夜とはまた一味違った雰囲気だ。

街中を特に行く当てもなくブラブラ歩いていると、誰かが僕に声をかけてくる。日本人の女の子だ。う~ん誰だっけ?・・・すぐに思い出した。昨日、シェムリアップからのバスで知り合った女の子だ。あれから無事だった?なんて言葉を交わしながら昨日から今日にかけてのお互いのことや泊まっている宿のことを話したり、他愛のない話で盛り上がる。

話しながら、あぁ旅っていいなぁなんて。今日の夕食も楽しくなりそうだ。




2010'02'14(Sun)11:01 [ バンコク ] CM0. TB0 . TOP ▲