見上げれば、そのすべては自由なのだから  GOLD EXPERIENCE: 世界を旅する黄金体験
07≪ 2017| 1234567891011121314151617181920212223242526272829303108/ ≫09
スペイン、アルヘシラスからセビーリャへ
モロッコ・タンジェからフェリーで “ジブラルタル海峡”(Strait of Gibraltar)を越え、スペイン側の港町 “アルヘシラス”(Algeciras)に到着したのは、日没直前の時間帯だった。

Andalucia70813-1.jpg
フェリーの上から見た、スペイン最初のサンセット。

サンセットを見ながらフェリーを降りると、まずは税関のあるターミナル駅の建物へ。フェリーとはいえ、国境を越えているので、最低限の手続きはしなければならない。

Andalucia70813-3.jpg
アルヘシラスのフェリーのターミナル。

モロッコ側からの入国はそれほど厳しくはなく、特に何事もなく外へ。時間帯のせいか、人は少なかった。フェリー乗り場から目指すのは、アルヘシラスの鉄道駅近くにあるバスターミナルだ。地図を見ると、フェリー乗り場からは1㎞もないので、徒歩で行けそうだ。

Andalucia70813-4.jpg
海沿いのストリート。モロッコと雰囲気がガラリと変わった。

スペイン、アルヘシラスの街を歩く。モロッコ側とはガラリと変わった街の雰囲気。そして久しぶりのヨーロッパの空気。妙な安堵感が自分の中で満たされていくのだった。

Andalucia70813-5.jpg
夕暮れ時の時間帯のせいもあるけど、街並みが美しく見えた。

同時に空腹感がこみ上げてくる。「今日1日、まともな食事にありつけてないや」などと思いながら、ひたすらバスターミナルの方角に向かって歩いた。暗くなる前に、バスの運行時間を確認しておきたかった。日没後の淡いブルーの空が、街のあらゆるものを美しく染めた。

Andalucia70813-6.jpg
バスターミナルに併設されているカフェテリアでしばしの休息。

バスターミナルに着いて、まずはセビーリャ行きのチケットを確保した。幸運にも、なんとかギリギリ最終に近い便が確保できたが、セビーリャに到着するのは夜遅くになるだろう。

Andalucia70813-7.jpg
パエリアとパンとエスプレッソ。意外といけた。

バスを待つ間、バスターミナルに併設されているカフェテリアで食事をすることにした。スペインに到着した旅行者が期待するのは・・・もちろんパエリア。作り置きでおいしくはなさそうだったが、贅沢は言えない。と思って食べたが、思ったよりおいしかった。さすがスペイン。

Andalucia70813-8.jpg
アルヘシラスのバスターミナル。かなり大規模なターミナルだ。

次の目的地はスペイン南部、アンダルシアの州都 “セビーリャ”(Sevilla)だ。スペインは鉄道とバスが発達しているので、行き先によって鉄道とバスを使い分けるスタイルだ。

Andalucia70813-9.jpg
セビーリャのバスターミナルも規模は大きい。

バスが出発する頃には、外は夜の帳が降りて真っ暗だった。日中の疲れがドッと出て、いつのまにか眠ってしまった。3時間ほどのバス旅だったが、あっという間にセビーリャへ。

Andalucia70813-10.jpg
バスターミナルを出ると、セビーリャの街が広がっていた。

モロッコ側のアクシデントですっかり夜遅くになってしまったが、予定通りセビーリャへと到着することができた。バスターミナルの外には、セビーリャの街が広がっていた。これから今夜の宿を探さなければならない。僕はバックパックを背負い、夜のセビーリャを歩いた。




  




2013'07'08(Mon)18:41 [ ジブラルタル ] CM2. TB0 . TOP ▲
ジブラルタル海峡を越えて
ジブラルタル─── “ジブラルタル海峡”(Strait of Gibraltar)は、ヨーロッパ大陸とアフリカ大陸を隔てる海峡で、地中海を挟んだスペイン〜モロッコ間の最も狭い距離は14kmだ。

Gibraltar61313-1.jpg
左の大陸がスペイン側のヨーロッパ大陸。右側の大陸がモロッコ側のアフリカ大陸。

わずか14㎞の距離に、ヨーロッパとアフリカという、全く異なる文化の国々や大陸が存在しているのだから、旅人として、これほどまでにロマンを感じる場所が他にあるだろうか。

Gibraltar62413-1.jpg
時刻は夕方。ジブラルタル海峡をモロッコからスペインへ。

ジブラルタル海峡は、大西洋と地中海をつなぐ出入り口であり、また古代から貿易の要所として盛んに交易が行われてきた。僕はいつか訪れ、渡ってみたいとずっと憧れていた。

Gibraltar62413-2.jpg
フェリーの甲板。なぜか甲板に上がってくる人はほとんどいなかった。

そして、ついに「その時」が来た。夕方、僕を乗せたフェリーは “Tanger Med” の港を出発したのだった。目指すは対岸のスペイン、“アルヘシラス”(Algeciras)の港だ。

Gibraltar62413-3.jpg
さらばモロッコ。さらばアフリカ大陸。

フェリーに乗り込むと、僕は脇目も振らずに甲板を目指した。フェリーが出航する瞬間を、ジブラルタルを渡るその一部始終の風景を、見逃したくなかったからだ。

Gibraltar62413-4.jpg
スペイン側のヨーロッパ大陸が目と鼻の先だ。

ジブラルタル海峡を渡る旅行者が少ないのか甲板にはほとんど人がいなかったが、運良く天気は上々で、夕方の太陽が傾きはじめた時間帯もベストなタイミングだった。

Gibraltar62413-5.jpg
太陽が海に反射して、キラキラと水面が光り輝く。

僕は甲板を歩き回りながら写真を撮ったり、様々な角度からジブラルタル海峡の風景を楽しんだ。関税で麻薬密輸の嫌疑をかけられたことなど忘れ、気分は晴れやかだった。

Gibraltar62413-6.jpg
ザ・ロックは、16世紀にはスペイン、18世紀からはイギリスの支配下にある。

しばらくすると、前方に巨大な岩山が姿を現した。あれこそ “ジブラルタルの岩”(Rock of Gibraltar、The Rock)と呼ばれる一枚岩だ。岩山の一帯はイギリス領だ。

Gibraltar62413-7.jpg
船尾では、緑の五芒星が描かれた真っ赤なモロッコの国旗がはためいていた。

深い蒼の空と空よりもっと濃い碧の海。遠くに白い雲が見える。海の色は港で見たような明るいグリーンではなかったが、水質が非常にいいのがなんとなく感じられた。

Gibraltar62413-8.jpg
船尾からの海の様子。海は波が無く、とても穏やかだった。

ふと空腹なのに気が付いた。考えてみたらタンジェに着いてからのアクシデントで、食事をする余裕がなかった。バックパックから早朝フェズ駅で買ったポテトチップスを取り出した。

Gibraltar62413-10.jpg
船内の様子。清潔感があってきれいだった。

甲板から離れがたい感覚もあったが、せっかくの機会なので船の中も見ておきたかった。なんとなく船内をうろつく。時間帯のせいもあるかもしれないが、船内は比較的空いていた。

Gibraltar62413-11.jpg Gibraltar62413-12.jpg
軽食が食べられるカウンター(左)とゆったりくつろげるソファー席(右)。

ソファー席では、熟睡する乗客たちの姿があった。レザージャケットを着たバイク乗り風の男性の姿もあった。仕事でモロッコ〜スペイン間を行き来する人もいるのかもしれない。

Gibraltar62413-9.jpg
ジブラルタル海峡には近代的な一面も。港にはクレーンが建ち並び、大型船舶が行き来している。

再び甲板へ。穏やかな海には、時折タンカーなどの大型の船舶の姿があった。スペイン側に巨大なクレーンが並ぶ港が見えた。沈みはじめた太陽に照らされたクレーンが重厚だった。

フェリーは刻一刻と目的地であるスペイン、アルヘシラス港へと近づいていく。おそらく太陽が沈む頃には到着するだろう。ずっと夢見てきたこの瞬間が終わってしまうことが寂しかったが、ここから新たな旅がはじまるのだ。沈みゆく太陽を見つめながらそう思った。




  




2013'06'25(Tue)19:10 [ ジブラルタル ] CM1. TB0 . TOP ▲
ジブラルタル越え、タンジェ港での迷走
あえて空路を使わず、モロッコから “ジブラルタル”(Gibraltar)を越えスペインへ。これは今回の旅でどうしても実現したい目標だった。この目でジブラルタルを見たかったのだ。

Tanjer61213-1.jpg
タンジェの鉄道駅に到着。

陸路でモロッコからスペインへと渡るには、アフリカ大陸の北端、ジブラルタル海峡に面するモロッコの街 “タンジェ”(Tanger)を目指す必要があった。フェズから鉄道を乗り継いで数時間、そのタンジェの駅にようやく降り立ったのだった。いよいよジブラルタルは目前だ。

Gibraltar61313-2.jpg
蒼い空と白い建物のコントラストが実に美しい。

雲ひとつない弾けるような蒼い空と、タンジェの街の白い建物が、ここから新しい旅になることを予感させた。まずは駅を出て、駅前でタクシーを拾いフェリーが出る港へ。なんとも順調な滑り出し・・・のはずだったのだが、ここから大きく迷走することになるとは。

Tanjer61213-2.jpg
タクシーでタンジェ港へ。まずは情報収集。

タクシーのドライバーが「最近新しく港ができてタンジェ港からはアルヘシラス行きのフェリーがない」って言うんです。え、そんなこと聞いてないよ。ガイドブックにも書いてないし。まさか新手のぼったくりか!? などと勘ぐりつつ、まずはタンジェ港で情報収集することに。

Tanjer61213-3.jpg
小さな港だが、たくさんの船が停泊していた。

港には、たくさんのフェリーの運行会社の建物があるじゃないですか。とりあえずそのうちの1つに入って聞いてみた。運行しているが、アルヘシラス行きではなく、レジャー用の高級フェリーで200ドルとか300ドルとかとんでもない数字を言ってくる。うーん、これは困った。

Tanjer61213-4.jpg
フェリーの運行会社が軒を連ねているのだが・・・。人気がないのも気になった。

港のインフォメーションデスクのようなところがあったので聞いてみると、どうも数ヶ月前に本当に新しく港が出来たらしい。しかも、新しい港はここから45㎞も離れているのだという。なんてこった、今日中にスペインにたどり着くかな・・・。すっかり時間は午後になっていたので、フェリーの時間が気になったが、とにかく新港 “Tanger Med” とやらに行ってみることにした。
※ “Tanger Med” は2010年5月に開港。

Tanjer61213-5.jpg
タンジェからバスで新港タンジェMedへ。

新港まではバスが出ているというので、バス乗り場でバスを待つことに。バス乗り場では、バックパックを背負っているのが珍しいのか、なぜか人気者に。いろんな人から質問攻めに。で、こちらも知りたいことだらけだったので質問しまくったところ、やはりフェリーは新港の方に行かないとダメなようだった。長い間バスを待ったが、ようやくバスに乗れて一安心。

Tanjer61213-6.jpg
タンジェMedに到着。港と駐車場以外なにもない場所。

予定より随分遅くなったが、夕方前には “Tanger Med” に到着することができた。海を越えるとはいえ、国境を越えることになるので、税関を通らなければならない。もちろんフェリーのチケットも確保する必要がある。チケット売り場でフェリーのチケットを購入し、税関へ。

Tanjer61213-7.jpg
このフェリーでジブラルタルを越えるのだ。

ここまで来たらもう大丈夫だろうと思って安心していたら、税関でもなんだか疑っている様子。オイオイ、ドラッグの売人じゃないって。鉄道での出来事といい、税関といい、どうもこの辺りではアジア人のドラッグの密輸を警戒しているみたい。税関員の1人が、彼は日本人だよ。見れば分かると言ってくれたので、なんとか事なきを得たのだった。うーむ、疲れた・・・。

Tanjer61213-8.jpg
思わず飲み干したくなるような、美しいグリーンの海の水。

気になって後で調べたら、モロッコは大麻樹脂の最大生産国で、ドラッグの密輸が頻繁に行われているのだそう。アジア人、特に中国人による密輸が多いんだって。タンジェはアフリカとヨーロッパをつなぐ海の玄関口のような街だから、いろいろあるんだなと思った。

Tanjer61213-9.jpg
いよいよジブラルタル越えへ。これからどんな旅がはじまるのか。

さて、無事税関を通過し、港にたどり着いた。今、眼前に広がるはあの憧れのジブラルタル海峡。そしてその先には、ほんのわずかな距離に、モロッコとは大きく異なる文化を持つ目的地のスペインがあるのだ。想定外のトラブルと長旅とで疲労もあったが、興奮していた。この目で、この脚で、海と風を感じながら、あのジブラルタルを越えることが出来るのだから。




  




2013'06'13(Thu)20:00 [ ジブラルタル ] CM0. TB1 . TOP ▲