見上げれば、そのすべては自由なのだから  GOLD EXPERIENCE: 世界を旅する黄金体験
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映画 “トゥーム・レイダー” の舞台、タ・プローム
タ・プローム”(Ta Prohm)は、無数にあるアンコール遺跡群の中でも、とりわけ異質な存在だ。タ・プロームの遺跡内の空間に一歩足を踏み入れると、まるで異世界にでも迷い込んでしまったかのような不思議な感覚に襲われる。

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タ・プロームに向かう、密林の小道。

タ・プロームは、その独特の世界観により、いくつかの映画の舞台にもなっている。近年、映画 “トゥーム・レイダー” や “トゥー・ブラザーズ” の撮影が行われたのは記憶に新しいが、特に “トゥーム・レイダー” は、遺跡と直接関わりのあるストーリー・テーマの映画なので、タ・プロームの雰囲気がどのようなものであるかイメージしやすいだろうと思う。

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遺跡の手前には池のようなものがある。周囲の木々が水面に映り込んできれいだ。

タ・プロームがそのような特異な世界観を持つ遺跡だからなのか、あるいは数々の映画の舞台になったからなのか、この遺跡には連日多くのファンが詰め寄せている。僕自身もこの遺跡の魅力に惹きつけられて、通いつめてしまった。そういう視点で見ると、タ・プロームは、アンコール遺跡群の象徴になっている、“アンコール・ワット” と人気を二分するほど存在感のある遺跡なのではないだろうか。

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巨大な木の奥にタ・プロームの入り口が姿を現す。タ・プロームは、「梵天の古老」を意味し、12世紀末にジャヤバルマン七世が母のために建立した仏教寺院だ。

タ・プロームの最大の魅力は、長い間ジャングルに放置されていたため、スポアン(ガジュマルの一種)という植物が遺跡に絡みつき、遺跡と植物とが一体化することで、独特の景観を醸し出しているところにある。現在のこの遺跡は、発見当初の姿に近い状態なのだという。

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巨大な植物(スポアン)が遺跡に絡みつき、遺跡と植物とが一体化している。

スポアン(ガジュマル)は、熱帯地方に分布する、樹高は20mほどのクワ科の常緑高木。鳥やコウモリなどの餌となり、糞に混ざった未消化の種子が、低木や岩塊などの上で発芽するという、一風変わった植物だ。そのような性質を持つ植物だからこそ、遺跡の屋根などの高い場所に根を下ろしているのだろう。

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遺跡の屋根の上に根を張ったスポアン。

ここは、多くのフォトグラファー達が写真集やハガキなどでタ・プロームをテーマに撮影するとき、必ずと言っていいほどこのカットを撮影する、有名なスポット。

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崩れ落ちた遺跡の建造物と、壁に根を張ったスポアンの巨木の姿。

映画 “トゥーム・レイダー” では、この遺跡の内部に宝が隠された秘密の空間があるような描写がされている。そんな映画のシーンが回想されて、遺跡内を歩いていると、あたかも内部になにかがあるのではないかという、不思議な気持ちになる。ある意味、トゥーム・レイダーで表現されたタ・プロームの姿は、旅行者や人々が考える「理想的な遺跡の在り方」であり、人々が最も魅力を感じる遺跡の姿なのではないだろうか。

映画ではタ・プロームのシーンの後、突如舞台がタイの水上マーケットに移るので、地理的な感覚を持ち合わせていると、ありえない移動経路に、突っ込みたくなる要素が満載なのだが、表現している世界観が現実のものとは異なっても、「こうであったらいいだろうな」という、人々が望む、ひとつの理想の姿を描いているように思う。




  
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2009'11'23(Mon)18:58 [ アンコール遺跡群 ] CM0. TB0 . TOP ▲
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