見上げれば、そのすべては自由なのだから  GOLD EXPERIENCE: 世界を旅する黄金体験
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ニューデリー駅は本当に危険なのか
デリー滞在中、夕食の時間まで少し時間があったので、なんとなく散歩がてら “ニューデリー駅” をぶらついてみた。僕が宿泊しているパハール・ガンジの宿からは徒歩約5分。パハール・ガンジを突き当たりまで歩くだけのとってもシンプルな道のり。

ニューデリーの鉄道駅は、以前の記事で紹介したデリーの空港、“インディラー・ガンディー国際空港” と並んでトラブルが頻発すると言われている、旅行者の間では悪名高い駅。

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混雑する夕暮れ時のニューデリー駅の入口。クラシカルでなかなかいい車だな・・・。

ニューデリー駅で外国人旅行者が遭遇するトラブルとはどんなものかというと、鉄道のチケットを購入(予約)するため、駅の2階にある “外国人専用チケットオフィス”(International Tourist Bureau)に行こうとするのだが、案内がなく、非常に分かりにくい場所にあり、なかなかたどり着くことができない。あるいは、駅の構内で詐欺師たちにだまされ、全く関係のない旅行会社に連れ込まれ、高額のチケットを買わされるというもの。

地球の歩き方” にはトラブルに遭った人たちの例が多数掲載されているのだが、詐欺師たちのだます手口も巧妙で、中には駅員を装う輩もいるのだとか。

実際のところどうなのか、さっそく駅に突入して検証してみた。

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駅前を歩く、仲良し二人組。インドではこうやって男同士で手をつないでいる姿をよく見かける。

駅の前にはタクシーやリクシャーのドライバーたちが待機している。これはニューデリー駅に限らずインドのどの駅も同様で、インドでは鉄道駅を一歩出ると、旅行者はタクシーやリクシャーの客引きに囲まれる。そういう意味ではニューデリー駅のドライバーたちはそれほど積極的ではないように感じたので、この点に関しては随分マシなのではないだろうか。

少なくとも僕は駅前を写真を撮りがてら随分うろついたのだが、しつこく付きまとわれることはおろか、話しかけられることすら一切なかった。

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エントランスホールには、鉄道の発着を待つ人々でごった返している。

ニューデリー駅のエントランスに一歩踏み入れると、そこは大きなホールになっている。奥の壁には鉄道の発着を表示する、電光掲示板がある。

この電光掲示板が意外と曲者で、インドの駅の中では最大規模で先進的なニューデリー駅は問題ないのだが、地方の駅などは故障しているのか正しく表示されず、全く役に立たなかった。この件に関しては、電光掲示板に無関係の鉄道のナンバーが表示され、情報が交錯して大変紛らわしいので、早急に修理するか、あるいは撤去するかして欲しいところだ。

それはともかく、駅で外国人専用チケットオフィスを探す際、詐欺師に付きまとわれたりするのはこのエリアなのかもしれない。特に誰も話しかけてくる様子はなかったので、推測。

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ニューデリー駅のホーム。多くはテロへの警戒だが、セキュリティはしっかりしている・・・と思う。

エントランスホールからさらに奥へと進むと、いきなり鉄道のホームへと出る。そう、改札口のようなものがないのだ。インドの鉄道(地下鉄は改札口がある)は、誰でもホームを出入りできる構造になっていて、極端な話、チケットがなくても鉄道に乗ることも可能だ。

もちろん無銭乗車に対処すべく、鉄道が発車するとすぐに車掌がチケットの確認をしにやってくる。日本の駅の構造に慣れていると、改札口のない完全にフリーな駅のスタイルは、最初は戸惑うかもしれないが、インドではこれが普通なのだ。

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最も規模の大きいニューデリー駅だけあって、ホームに併設されているショップも立派。

ホームには日本で言う “キオスク” のようなショップもある。キオスク同様に、新聞、雑誌、スナック、軽食、飲み物などを扱っており、それらを1つの店舗で販売するのではなく、用途別に数店あるのが普通だ。規模の大きいニューデリー駅は他と比べるとショップも立派だ。

エントランスホールからホームに入ると、周囲の雰囲気がガラリと変わり、どことなく慌ただしくなる。ホテルの送迎サービスを利用する場合は、予め自分の乗る鉄道や車両のナンバーを教えておくと、降りる駅の鉄道の車両の前まで迎えに来てくれることもある。こういうサービスの時には、誰でも自由に出入りできる駅の構造は便利なのかもしれない。

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ウエイティングルームで鉄道の発着を待つ人々。

鉄道が到着するまでの時間を待つ乗客のために、大抵の鉄道駅には “ウエイティングルーム”(Waiting Room)という待合室がある。このウエイティングルームも、1等や2等などの車両のランクや、男性専用や女性専用など、性別で分けられていることが多い。こういったところは未だにカーストが根付くインドらしい点ではあるのだが、外国人旅行者にとっては分けられることにより安心感が増すという利点もあるので、一概に否定はできない。

衛生的にいいとは言えないが、駅の床にそのまま寝てしまう人たちも多数いる。座る席が人数分に到底満たないのと、鉄道の遅れが日常茶飯事のインドでは長時間駅で過ごす事も多く、やむを得ずそうなってしまうのだが、それ故に予め床に敷くためのシートやブランケットを持って来る人も多い。インドを旅する際は大きめの布があると、何かと重宝するだろう。

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人だかりで混み合うニューデリー駅のエンクワイアリー。実はこれでも相当マシな方。

エンクワイアリー”(Enquiry)は鉄道の到着時間を確認したり、到着するホームを確認したりする、要するにインフォメーション窓口のこと。大抵は駅構内の外側にある。鉄道の “delay”(遅れ)が確認できる重要な場所なのだが、これがまた一癖あって、エンクワイアリーの前は常に人だかりの山。しかも、インド人たちは順番など関係なくどんどん割り込んでくるので、消極的に列に並んでいても、一向に窓口にはたどり着けなかったりする。

旅行者がバックパックを背負いながら、混み合っているエンクワイアリーの窓口に人を押し分け入っていくのはなかなかしんどいのだが、こういうときは予め小さなメモに自分の乗る鉄道のナンバーを控えておいて、タイミングを見計らって窓口の係員に見せると、時には少し後ろにいても教えてくれることがある。向こうもこちらが外国人旅行者であることを理解しているのだ。鉄道の旅の時には、メモをこのように使うと便利だ。

インドでは鉄道が数時間遅れることなど日常茶飯事なので、エンクワイアリーが使えないと、到着時間の目安が分からず本当に困ってしまう。各駅にある電光掲示板を修理して、正しく表示できるようにするだけでも大分違うと思うのだが、いかがなものだろうか。

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エントランスホールを一望。上からだと全体が把握しやすい。

ニューデリー駅のメインの施設を紹介してみたが、肝心の駅構内のトラブルについて。まず、インドを旅行する際は、もしある程度(移動日だけでも)日程が決められるのであれば、予め日本でインターネットでチケットを予約していくことをオススメする。よほどの長期旅行でもない限り、チケット予約にせっかくの観光の時間が取られてしまうのはもったいない。

それと、これにはもう一つ理由があって、インドの鉄道は日本のように便数が多くない。日中に目的地に到着する便など条件を付けると数日後の便しかない、ということもよくある。もちろん満席でウエイティングリストしかないという事態も含め、現地で移動日の前日に手配すると、場合によっては移動日を大幅に変更しなければならないことにもなりかねない。

次に、ニューデリー駅の外国人専用チケットオフィスは、迷うことができないほど簡単にたどり着ける。というのも、駅の至る所に目立つブルーの電光の看板で “INTERNATIONAL TOURIST BREAU” の文字が光っている。順を追って説明するので、詳しくは下の写真を見て欲しい。

A)India52410-22.jpg B)India52410-12.jpg
A)駅に入ったら、向かってエントランスホールの右端と左端にブルーの “INTERNATIONAL TOURIST BREAU”(外国人専用チケットオフィス)と書かれた大きな看板がある。B)その先に2階への階段がある。階段の壁面や、階段を上った先の踊り場にも大きく表示がある。

C)India52410-16.jpg D)India52410-17.jpg
C)2階に着いたら青い看板を目印に、通路を真っ直ぐ進んで行く。D)通路を中程まで進むと、International Tourist Bureau のドアがあるので中に入る。ちなみに左右どちらの階段を上っても同じ通路でつながっているので問題ない。

E)India52410-23.jpg F)India52410-19.jpg
E)中に入るとこんな感じ。当たり前だが基本的には外国人しかいないので、安全。F)RESERVATION FORM という紙を見つけたら必要事項を記入して窓口へ。

とまあこんな感じ。

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駅から出たら、すっかり陽は沈みはじめていた。

ニューデリー駅の構造はこれだけシンプルで、しかも外国人専用チケットオフィスに関しては駅側も随分配慮してくれていて、要所要所の至る所に案内が大きく表示されている。おそらく旅慣れた旅行者であれば、なぜトラブルに遭遇するのか理解できないのではないかと思う。もしそこに問題があるとすれば、それは旅行者側にもあるのかもしれない。

外国人専用チケットオフィスの案内の看板は全て英語。英語が不慣れな旅行者だと、視界に入っていても認識できない可能性がある。それと、詐欺師たちは決して誰彼かまわずターゲットにしているのではない。旅行者の身なり(見た目)を見て、選んでいるのだ。

おそらく大半の旅行者は問題ないだろうと思うが、このニューデリー駅の構内でターゲットになってしまう人は、インドの旅全般で注意した方がいい。服装などを少し工夫するだけでも大分状況は改善するだろうと思う。もし自分が逆の立場だったら、どんな装いの旅行者をターゲットに選ぶか、と考えてみれば自ずと答えは出るだろう。

結論から言うと、ニューデリー駅の治安は決して悪くない。それどころか、インドの鉄道駅の中ではズバ抜けて落ち着いているように思える。問題の外国人専用チケットオフィスの案内も、至る所に看板が配置され、これ以上できないほど配慮されている。また、詐欺師たちはターゲットを見定めているとはいえ、放っておけばそれ以上踏み込んでくることはできない。むしろ肝心なのは旅行者自身の在り方なのではないだろうか。


インドの鉄道予約サイト: IRCTC Online Passenger Reservation System


  
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2010'05'26(Wed)18:07 [ デリー ] CM2. TB0 . TOP ▲
COMMENT


私も暇つぶしで2階への階段探ししましたが、すぐ見つかりました。
しつこい人もそんなにいなかったし、すぐ振り切れたし。
暇つぶしにならなかった。
あ、でも[This Way!」って逆の方向さす人がいて、
「いた!騙すやつ!!」と思って関心というか、感動しましたけど。
(もちろん無視)

暇つぶしにはならなかったけど、デリーの駅はインドのパワー(うるさくてもその辺で昼寝するパワーとか)があって面白かったです。
2010/05/27 05:51  | URL | satoko #- [edit]


satokoさん、こんにちは!

satokoさんほど旅慣れていればまず問題ないと思います。
というかsatokoさんはなかなかの特攻隊長さんですよね!
見ていて頼もしい限りです。

思ったのは、卒業旅行などで海外旅行が初めての大学生が、
インドに来たりして、いろいろ遭遇するのかな~とか。
でもまぁ少々の失敗も経験の内ですよね、きっと。

デリーの空港や駅は位置的に玄関口のような場所なので、
到着したばかりでインドの世界観にまだ慣れていなかったりすると、
そういう印象になるのではないかなと思います。

実際の所、地方の駅はニューデリー駅よりもはるかにアグレッシブで、
僕でも駅から一歩出ると客引きに囲まれます。

こればかりはインドの文化だと思って慣れるしかないと思います。
2010/05/27 22:18  | URL | Garyo #- [edit]
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