見上げれば、そのすべては自由なのだから  GOLD EXPERIENCE: 世界を旅する黄金体験
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朝靄のタージ・マハル part-2
アーグラーのハイライト、“タージ・マハル”(Taj Mahal)。前回はタージ・マハルでのアクシデント中心の内容だったので、あまり歴史的観点での記述ができなかったので、今回はその部分と、タージ・マハルの北に流れる “ヤムナー河”(Yamuna River)の風景を含めて、また違った角度からタージ・マハルにスポットを当てていきたいと思います。

ホントはせっかく頑張って早起きして、明け方のタージ・マハルに行ったから、もう少し写真を見てもらいたかっただけだったりして。写真いっぱい撮ったしね!

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早朝のヤムナー河流域は、深い霧に包まれており、その風景には重さと柔らかさがある。

タージ・マハルの背後には、ヤムナー河が流れている。ヤムナー河はガンジス河最大の支流で、インド北部の “ヤムノートリー”(Yamunotri)を水源とし、途中デリー、アーグラーなどの都市を経由して、ヴァラナシの西135㎞地点にある、“アラーハーバード”(Allahabad)でガンジス河へと合流する、全長1,370kmの大河だ。

その影響だろうか、早朝のヤムナー河流域は深い霧に包まれている。不思議なことに、陽が昇るにつれて、それまで辺りに立ちこめていた靄はすっきりと消えてしまった。おそらく強烈な太陽の陽射しが、霧状に霧散している水分を蒸発させてしまうのだろう。

僕は早朝の、この極めて限定的な時間帯の、朝靄に包まれたタージ・マハルが最も美しいのではないかと思う。夕暮れ時のタージ・マハルも情緒があって、もちろん素晴らしいのだが、靄に包まれた幻想的なタージ・マハルは、雰囲気的にマッチしているような気がする。

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流れは穏やかで、水質も悪くないように見えるのだが。(左)陽が昇ると靄が晴れてくる。(右)

タージ・マハルの背後に回ってヤムナー河を眺めると、対岸には草木のない乾燥した砂地が広がっている。おそらくこれは、雨季のシーズンに増水し膨れあがったヤムナー河が、砂地の位置まで広がっていたことが原因だと思われる。

ヤムナー河の水の流れはとても穏やかで、一見すると水面は美しく見えるのだが、実は世界で最も汚れている川の一つと言われている。ヤムナー河は、特に首都デリー周辺の汚染がひどく、デリーの排泄物の57%が流入しており、生活排水や生活ゴミによる汚染は拡大の一途をたどり、深刻な状況になっている。旅行者は知らなくていいことではあるが・・・。

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洗練されたタージマハルの勇姿。人を入れずに撮影するのは至難の業だったりして。

タージ・マハルは、ムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが、愛妃ムムターズ・マハルの死を悼んで建設した霊廟である。要するに「愛する妻の墓」なのだが、当時の皇帝の権力、財力を結集し、ペルシャやアラブ、ヨーロッパなどから2万人もの職人を集め、世界中から建材として使用する大量の貴石、宝石が取り寄せられ、1653年22年の歳月をかけて完成させたという。

尋常ではない建造費に、当時のインドの財政は破綻したとも言われ、完成後シャー・ジャハーンは、息子のアウラングゼーブによってアーグラー城に幽閉されてしまうのだった。

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敷地内にはモスクや、手入れの行き届いた広大な庭園が広がっている。

しかし、もっとも驚かされるのは、当時のシャー・ジャハーンの構想では、ヤムナー河の対岸に、タージ・マハルと全く同じ構造の建造物を今度は黒い大理石で造り、河を挟んだ2つの建造物の間を大理石の橋で繋ぐ事になっていたということだ。あまつさえ一国の財政を傾け、片側だけでも20年以上もの歳月を費やしたというのに、もう一つ黒いタージ・マハルを造ろうというのだから、もはや墓と表現するのが妥当なのかどうかは疑問だが、シャー・ジャハーンが幽閉された理由は紛れもなくこのタージ・マハルの建設が原因だろう。

タージ・マハルの名前の由来は王妃の名 “ムムターズ・マハル” を縮めたものではないかという説が有力で、ペルシャ語で「宮殿の光」「宮廷の選ばれし者」を意味する。

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一見夕日のようではあるが、朝日です。空のグラデーションがなんとも美しい。

完成後、シャー・ジャハーンはアーグラー城に幽閉され、窓際から自らが手がけたタージ・マハルを眺めて過ごし、死後はタージ・マハル内部に安置されている妃の墓の隣に埋葬された。

確かに、国の財政を傾けてまで愛する妻の墓を建造するというのは常軌を逸してはいるが、結果的に今現在僕たち旅行者が、この壮大な “世界一美しい墓” を眺めることができるわけで、複雑な心境でもある。それにしても黒いタージ、もしその話が本当なのであれば、見たかったような気もする。旅行者はなんとも自分勝手なのである・・・ナハハ

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ピカピカに磨き上げられた大理石の床に朝日が反射し、金色に光り輝いている。

ちなみにタージ・マハルの内部へ入ることもできるのですが、残念ながら内部の撮影は厳禁。中の構造は想像以上にシンプルで、中央に王妃ムムターズ・マハルの大理石の棺が置かれており、その隣にやや小さなシャー・ジャハーンの棺が置かれている。なんとなくシャー・ジャハーンの棺を後から置きましたみたいなかんじ。まぁ実際そうなんだけど、偉大なるタージ・マハルを建造した皇帝の棺が、王妃よりも小さいのがかわいそうではある。

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バイバイ、タージ・マハル!また会う日まで。

帰り際、入口の通路からシルエット越しのタージ・マハルを撮ってみた。行きはちょっとしたアクシデントに見舞われて、サンライズの瞬間を見逃すまいと焦ってタージ・マハルに直行したので、ゆっくりと見て回ることができなかったから。既にタージ・マハルには大勢の観光客でいっぱいで、庭園もすっかり賑やかになっていました。

あのミステリアスな朝靄はすっかり晴れて、今日のアーグラーも快晴です。
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2010'07'26(Mon)19:07 [ アーグラー ] CM2. TB0 . TOP ▲
COMMENT


良く撮れましたね~。
ほんまに人のいないタージマハルの写真ですね!
執念だ!(笑)

いや~~、世界的な観光地に行くと、人のいない
一瞬をカメラに収めるのは至難の業なんですよね~(笑)

僕もあちこちで経験がありますけど、大抵失敗ですね(笑)

朝霧のアーグラーの写真。気に入りました!
chempakaでした!
2010/07/26 23:17  | URL | chempaka #- [edit]


chempakaさん、こんにちは!

そうなんですよね~。

人気の観光スポットで、遺跡などの写真をかっこよく撮ろう
と思うと、いつも観光客でいっぱいだったりして、なかなか
思うように撮れないことが多いです。

アンコール・ワットなども苦労しましたよ~。

タージ・マハルの場合は、早朝6時の入場開始時間がカギですね。
入場開始直後であれば、まだ人はそれほど多くないので。
手荷物検査がとても厳しいので、手ぶらでカメラだけ持って行く
のがオススメです。

夕方に入場ゲートを見に行った時も、ゲート前にすごい行列が
できていました。なぜか夕方はインド人ばかりでしたが。

あとはヤムナー河の対岸から朝靄のタージ・マハルを撮影するのも
なかなか絵になると聞いたことがあります。
2010/07/27 20:19  | URL | Garyo #- [edit]
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