見上げれば、そのすべては自由なのだから  GOLD EXPERIENCE: 世界を旅する黄金体験
09≪ 2017| 1234567891011121314151617181920212223242526272829303110/ ≫11
コルカタ、ハウラー駅から市街へ
僕を乗せたラージダーニーは、次なる目的地 “コルカタ”(Kolkata)に一直線に駆け抜けて行く。車内には、オヤジたちに囲まれ話をする僕の姿があった。おかげで長時間の鉄道の旅は、道中退屈することなくコルカタに到着することができた。僕は、車内ですっかり打ち解けたオヤジたちと握手と挨拶を交わし、ハウラー駅へと降り立った。本来ならばコルカタには午前中に到着するはずだったのだが、相変わらずの8時間遅れにより、すっかり夕方になっていた。

Kolkata112710-1.jpg
ハウラー駅のホームに降り立つと、これまでのインドの駅とは違った不思議な感覚があった。

コルカタの中央駅である “ハウラー駅”(Howrah Railway Station)は、これまでとはまったく雰囲気が違っていた。「先進的」という表現は正確とは言えないが、これまで旅したインドの駅と比べるとどこか西欧的な趣があり、近代的に見えた。そして、これもまた正確な表現とは言えないが、どこか都会的な空気が漂っていた。かつて、世界でもっとも汚い街と呼ばれ、悪名高いコルカタのイメージが強くあったので、イメージと現実とのギャップに驚いた。

Kolkata112710-2.jpg Kolkata112710-3.jpg
ハウラー駅前は、リクシャーやタクシーのしつこい勧誘など皆無だった。

ハウラー駅からコルカタ市街の中心地区までは4~5㎞ほど離れており、距離的に歩けないことはないのだが、バックパックを背負って見知らぬ街を歩くには少々骨が折れる距離だ。コルカタはタクシーが発達しているので、駅から街の中心地区まではタクシーを利用するのが便利。僕は、宿泊するゲストハウスの送迎サービスを利用し、事前に手配しておいたタクシーのドライバーとホームで待ち合わせをしていた。しかし、鉄道が例によって8時間以上も遅れたことで、さすがにそれほどの長時間駅で待っていてはくれないだろうなと思っていた。

ラージダーニーの車両からホームに降りて、しばらく辺りを見渡す。誰もいないのは当然だろうと、半ばあきらめてホームを歩き始めた。夕方とはいえ、まだ日没前の時間帯だ、駅前でタクシーを拾えばいいだろう。すると、僕に話しかけてくるインド人の青年がいた。どうやら彼がドライバーのようだった。「やあ、君が待ち合わせたタクシーのドライバーかい?」お互い間違いがないか確認をする。改めて彼を眺めると、若い。20代前半、いやもしかしたらまだ10代かもしれない。「こっちだ」彼の後を追いながら、何はともあれホッと安心した。

Kolkata112710-4.jpg
ドライバーの兄ちゃんは、経験不足なのかとんでもないことに・・・。

彼のタクシーは駅の外にある駐車場に駐まっていた。コルカタ名物の黄色いタクシーではなく、白いごく普通の乗用車だった。「8時間以上も鉄道が遅れたのに、よく待っていてくれたね」と言うと、「朝からずっと待っていた」と言うのだが、それほど苦労したという様子でもなかった。鉄道が遅れるのは日常茶飯事だからなのか、彼にとってタクシーの運賃が満足できるものなのかは分からないが、よくあることなのだろう。いずれにしても助かった。

タクシーに乗ろうと車のドアを開けると、中年女性の物乞いがヒンディで話しかけてきた。構わずにタクシーに乗り込みドアを閉めるが、それでも窓の外からなにやら喚いている。もちろんお金を恵んでくれといった類の内容であろうことは容易に想像できる。ドライバーも彼女に首を振り、おもむろに車を発進させた。それが面白くなかったのか、彼女はかんしゃくを起こし、去り際に思いっきり車のフロントガラスをドカッと叩いて怒鳴り散らした。それでもタクシーはあたかも何事もなかったかのように市街に向かって走りはじめた。

Kolkata112710-5.jpg Kolkata112710-6.jpg
ハウラー橋から見る、対岸のコルカタ市街は絶景だった。写真はシャッターチャンス逃したけど。

ハウラー駅を出てすぐに、ハウラー橋という大きな橋がある。その下には “フーグリー河”(Hooghly River)という大きな河が流れている。ハウラー橋越しに、橋の対岸のコルカタの市街地が姿を現す。車の窓から新たな街の風景を眺める。駅と同じく、やはりこれまで訪れたインドの街とは随分趣が異なる。少々大げさだが、マンハッタンに向かっているような錯覚を覚えた。そう錯覚してしまうほど、都会的な雰囲気を放っていたのである。

タクシーは橋を渡り、コルカタ市街を走り始める。徒歩ではなかなかの距離でも、車での4、5㎞など、あっという間のはずだ。だが、中心地区とおぼしき場所に近づいても、僕を乗せたタクシーはなかなか目的地に辿り着かない。それどころかさっき走った場所を何度も何度も通り過ぎているではないか。どうやら道に迷ってしまったようだ・・・タクシーなのに。たまらず「道、わかるかい?僕のガイドブックの地図見る?」と助け船を出すが、地図を見てもよく分からないようで、結局ドライバーの青年は道行く人に訪ねはじめ、終いには車を降りて聞き込みをはじめてしまった。どうも依頼を受けた僕のゲストハウスの場所が分からないらしい。

Kolkata112710-7.jpg
夜のコルカタ市街。露店ではなく、ちゃんとした店構えなのが新鮮。

一体どれくらいの時間タクシーに乗っていただろうか。わずか4、5㎞の距離に、1時間近くは乗っていたのではないだろうか。迷いに迷ってようやくゲストハウスに辿り着いた頃には陽は沈み、すっかり暗くなっていた。半ば呆れながらもゲストハウスのフロントで手続きを済ます。夜になってしまったせいで、あまり部屋の選択肢がなかった。仕方なく少々高いがエアコン付きの840ルピーの部屋に泊まることにした。エアコン付きの部屋は、今回の旅で初めてだ。

決して順風満帆とは言えないけれど、大きなトラブルに見舞われることもなく、こんな感じで僕のコルカタはスタートした。果たして、コルカタとは一体どんな街なのだろうか。
関連記事









exclusive60g.png

2010'11'27(Sat)22:38 [ コルカタ ] CM0. TB0 . TOP ▲
COMMENT
コメントする














秘密にする?

    
この記事のトラックバックURL
http://thegoldexp.blog99.fc2.com/tb.php/388-b3581f9c
trackback