見上げれば、そのすべては自由なのだから  GOLD EXPERIENCE: 世界を旅する黄金体験
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コルカタのクライマックス、沈みゆく太陽
インド、コルカタのクライマックスは、フーグリー河の対岸に沈む夕陽です。

コルカタを縦断して流れるフーグリー河はガンジス河の分流で、負けず劣らずの大河ではあるが、ヴァラナシのガンジス河と比べると、それほど開放的なイメージではない。しかし、コルカタのベストスポットは、この河を無視して語ることはできない。

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怪しげなギリシャ風の門がバーブー・ガートの入口。

コルカタの市街地図を見ながら、サンセットのベストスポットを模索していた。太陽は西に沈む・・・ということはフーグリー河の対岸に太陽が沈む計算だ。

ハウラー橋の上からも素晴らしい日没が見れることはまず間違いなかったが、僕は既にハウラー橋からの日の出を拝んでいたので、今回はあえて河沿いのガートで日没の時間を過ごすことにした。ガートからであれば、撮影が禁止されているということもないだろう。

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怪しいギリシャ門を降りると、開けた場所に出る。(左)日没前に沐浴をする人たちの姿も。(右)

最終的に僕が選んだのは、フーグリー河のハウラー橋と第2ハウラー橋の中間(やや第2ハウラー橋寄り)に位置する、“バーブー・ガート”(Babu Ghat)というガート。ここは地図上で見ると川幅が広がっており、コルカタに架かる2つのハウラー橋を眺めることができそうだ。

夕方、早速予め目星を付けていたバーブー・ガートへと向かった。バーブー・ガートは、位置的には安宿街サダル・ストリートからそれほど距離はないが、特に観光スポットというわけでもなく、河沿いの大通り(Strand Rd.)にひっそりと佇んだ、ギリシャ風の柱が立ち並んだ門がガートへの入口になっている。まだ日没には少し時間があったが、門の上部に書かれた “Babu Ghat“ の文字を確認し、足早に門をくぐり、ガートへの階段を降りていった。

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太陽がゆっくりと対岸に沈みはじめた。静かな時間が流れていた。

ガートに降りると、少し開けた場所に出た。河岸には特に階段などがあるわけではなく、すぐ目の前に穏やかに流れるフーグリー河があった。地面にはかなりのゴミが散乱していたが、これまでインドの多くの場所を訪れてきたせいか、ゴミがあることにはすっかり慣れていた。

フーグリー河はコルカタのヒンドゥ教徒にとっては聖なる河で、僕が訪れた時には、既に沐浴をしている人たちがいた。ヴァラナシのガンガーのように、大勢の沐浴する人々でごった返したような賑やかな雰囲気ではなく、静かに日没を待つ人々の姿がそこにはあった。

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家族連れの一団は、沐浴ではなく水を汲みに来たようだ。

日没の時間が近づくと、少しずつ人が増えてきた。家族連れのインド人は、空のペットボトルを何本も持ってきて、河の水を汲んでいるようだった。飲み水にするのだろうか、夕方であらゆるものが紅く染まっているとはいえ、河岸にはかなりのゴミが堆積しており、とても飲み水に適しているとは思えなかったが、ヒンドゥ教徒にとってはこの水こそ聖なる水なのだ。

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ペットボトルにフーグリー河の水を汲む少年。

川の流れは穏やかだった。少年が河の水をペットボトルに汲む様子をずっと見守っていた。もうすぐここコルカタともお別れだ。それは即ちインドとの別れでもある。その時は刻一刻と迫っている。振り返れば、なんという刺激的で、魅力的な旅だったのだろうか。

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対岸に沈みゆく太陽。強く紅を帯びていたが、ある瞬間フッとその輝きを失い、優しい光に変化する。

インドを旅して、一体何回目のサンセットだろうか。日の出と日没。それこそ幾度となくインドの各地で眺めた太陽の姿は、この旅を象徴するかのように心に深く刻まれていた。インドを旅して見たもの、それは沈みゆく太陽と、昇りはじめる太陽だったのかもしれない。

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沈む直前の、紅く光り輝くコルカタの太陽。インド最後の日没。

そして、おそらくこれが最後のサンセットになるだろう。これまでの旅を、出会った人々を思い出しながら、次の目的地に向かってエネルギーは満ちていた。

空は紅く染まっていたが、太陽が沈むと夜の帳の蒼が降りてきた。

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左奥に見えるのが第2ハウラー橋。(左)ガートには大量のゴミが堆積していた。(右)

インド最後のサンセットを眺めて、帰路につくことにした。日が沈むと、地面に堆積したゴミが目立ちはじめたが、空には美しいグラデーションが広がっていた。

インドではとにかくよく歩いた。毎日休むことなく1日中、よく歩いた。ずっと憧れていたインド。そこは刺激に満ち溢れていた。そして、人々は皆エネルギッシュだった。そんなエネルギッシュな人々に囲まれて、いつの間にか僕自身も活力に溢れていた。

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日没後の空に浮かぶ、金色に輝く月。

帰り際、通りを歩きながらふと空を見上げると、夕陽の紅と夜の蒼が入り交じったグラデーションの中に、美しい金色の月が浮かんでいた。不思議と心は穏やかだった。
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2011'01'17(Mon)20:21 [ コルカタ ] CM0. TB0 . TOP ▲
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