見上げれば、そのすべては自由なのだから  GOLD EXPERIENCE: 世界を旅する黄金体験
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ヒマラヤ、アンナプルナを見よ
ヒマラヤを望む・・・ネパールを旅したいと思った目的のひとつだ。そして今、僕の眼前には、地球上で最も標高の高い、雄大なヒマラヤ山脈のパノラマが広がっていた。

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サランコットの展望台で売っていた、ヒマラヤ山脈のポスター。

太陽が昇らぬ暗いうちにポカラの町を出発し、町の北西、フェワ湖の北に位置する “サランコット”(Sarangkot)という丘の頂上の展望台を目指した。ちょっとした登山の末、ようやく展望台に到着した瞬間、太陽が鈍い紅を放ちながら山の合間から姿を現した。それは正に、最高のタイミングだった。展望台は、簡素な造りながらも360度見晴らしが良かった。僕たちは、この瞬間を逃すまいと、他の登山客の間を縫って、ベストスポットを探して歩いた。

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朝靄に覆われた山々の合間から、姿を現す太陽。

7000m級の山々が連なるヒマラヤには遠く及ばないが、早朝に加え、1600m近くある山の山頂だけあって、さすがに風は冷たく、そして強かった。強風に煽られ、登山でかいた汗はあっという間にかき消え、すぐに身体は冷えきってしまった。一応長袖を着込んでいるとはいえ、パタゴニアのベースレイヤー程度では山頂の気温に対応できないようだ。僕は寒さをこらえながら、昇りはじめたまだ弱々しい光を放つ太陽を追い、カメラのシャッターを切った。

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陽が昇るにつれて朝靄が少なくなり、徐々に視界がクリアになっていく。

太陽が少し上がると、ヒマラヤの山々がクリアになってきた。 ヒマラヤは巨大な山脈で、ブータン、中国、インド、ネパール、パキスタン、アフガニスタンの6つの国にまたがり、非常に広範囲に広がっているのだが、この場所からは、“アンナプルナ”(Annapurna)という名のエリアに属するヒマラヤの山々を望むことができる。アンナプルナは、サンスクリット語で「豊穣の女神」を意味し、この地域はヒマラヤを望むトレッキングが盛んだ。

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幻想的な光景だったが、風が強く、とにかく寒かった。

山頂の冷たい風に晒され、寒さに凍えていると、登山客の中に見知った顔があった。それはホテルのレセプション・ルームで知り合った、あの国連のスタッフだというメキシコ人男性だった。よく見ると彼のすぐ横にはいつの間にか先生がいて、彼と楽しそうに会話をしている。僕も近づいて会話に加わった。「やあ」と挨拶をしてまず驚いたのは、彼がTシャツ1枚だったことだ。この寒いのによくTシャツ1枚でいられるものだ。しかも彼は平気な顔で会話をしている。

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靄が残っているので、最高にクリアな視界とは言えないが、それも味があって良かった。

次に驚かされたのは、彼は、山頂近辺までバイクで登ってきたのだという。どうやら僕たちが登ってきた道とは別に、より山頂に近い場所まで延びている裏道があるようなのだが、それよりも彼はバイクをポカラでレンタルしたのだと言うが、陽が昇る前のあの暗闇の中、見知らぬ山道を一人で山頂を目指して走るという感覚に驚かされた。それもTシャツ1枚で。たくましいの一言に尽きるのだが、彼の相棒は早朝に起きれずダウンしているのだそうだ。

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鋭角な山頂の形状から「ネパールのマッターホルン」などとも呼ばれている。

写真のタイミングがいいので話をヒマラヤに戻すが、アンナプルナの山々の中で、一際目立っているのが “マチャプチャレ”(Machhapuchhre)だ。ネパール語で「魚の尾」を意味するその名の通り山頂が鋭角に尖っていて、非常に魅力的な山だ。標高は6993mと、7000~8000m級の山々が連なるヒマラヤ山脈の中ではそれほど高いわけではないのだが(山単体で見れば十二分に高いが)、距離的に近いこともあってか強烈な個性を放っているのだ。

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眼下には、遠く湖の先に、ポカラの町が広がっている。

マチャプチャレは未踏峰で、神聖な山として宗教的な信仰の対象(シヴァ神に関連)となっており、登山が禁止されている。過去においても、1957年にイギリスの登山隊が登山しただけで、この時は頂上を踏まないという約束に従い、頂上から50mの位置までだったのだという。これだけ美しく神々しい山なのだから、地元住民が神聖視するのもよく分かる。

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山頂に見えるのが展望台。(左)山頂近辺から未舗装の山道が延びている。(右)

とまぁそんな感じで、山頂で寒さに耐えながら日がすっかり昇るまでゆっくり過ごし、帰路につくことにした。メキシコ人の彼とは山頂で別れたが、同じホテルに宿泊しているのでまた会うことになるだろう。帰りは行きとは違う道を通ることにした。彼が言ったとおり、もうひとつ幅の広い未舗装の裏道があって、その道を下った。おそらくこの道のことなのだろうが、暗闇の中、未舗装の山道を1人でバイクで登るのはリスクが高いように思えるのだが、反面、そんなメンタルの強さ、タフさが、いかにも僕の知っているメキシコ人らしかった。

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山の中腹には、のどかな田園風景が広がっている。

山の中腹まで降りると、ポカポカした陽気がもどってきた。太陽が上に昇ってきたせいもあるのだろう、それまでの寒さはどこかへ行ってしまった。周囲には、早朝登ってきたときには気付かなかった(道が違うというのもあるが)のどかな田園風景が広がっていた。

宿のオーナーが、ヒマラヤがくっきり見える視界の良い時間帯は早朝なのだと教えてくれたとおり、山頂であれだけ見えていたヒマラヤの山々が、いつのまにか靄に覆われてうっすらそのシルエットが見えるだけになっていた。きっともっとクリアにヒマラヤが見える日やシーズンがあるのだろうけど、眼前に広がる迫力のパノラマは、僕の心にしっかり焼き付いた。
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2011'08'19(Fri)23:53 [ ポカラ ] CM0. TB0 . TOP ▲
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