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琉球王国と浦島太郎と竜宮城
日本人なら誰もが知っている昔話、「浦島太郎」。

むかしむかし、漁師の浦島太郎は、子供が亀をいじめているところに遭遇する。太郎が亀を助けると、亀は礼として太郎を竜宮城に連れて行く。竜宮城では乙姫が太郎を歓待する。しばらくして太郎が帰る意思を伝えると、乙姫は「決して開けてはならない」としつつ玉手箱を渡す。太郎が亀に連れられ浜に帰ると、太郎が知っている人は誰もいない。太郎が玉手箱を開けると、中から煙が発生し、煙を浴びた太郎は老人の姿に変化する。浦島太郎が竜宮城で過ごした日々は数日だったが、地上では700年が経っていた。(Wikiより抜粋)

場所や状況に諸説はあるけど、みんなが知ってる「浦島太郎」はだいたいこんなかんじだろうと思う。実は似たような話は沖縄にも伝わっている。万葉集に記された、「浦島太郎」の原型とも言われる一節には、「浦島太郎は海辺で海神の娘(亀姫)と出会い、二人は結婚し、海神の宮で暮らすことになった」とある。もしかしたら、浦島太郎は何かのきっかけで、琉球の王族の娘と出会い、二人は愛し合い、娘の故郷である琉球王国に行くことになったのかも知れません。

沖縄で「首里城」を見たとき、なぜかこの「浦島太郎」の物語を思い出しました。もしかしたら浦島太郎が滞在した「竜宮城」って、「首里城」の事なのかも知れない。「首里城」を見るとそんな気になります。それくらい、小さいときに絵本で見た「竜宮城」のイメージに近いんです。

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写真は首里城正殿(世界遺産)。日本の城で言うなら本丸にあたる部分。

500年にも渡り琉球王国の政務の中心となった「首里城」は、14世紀末に創建され、中国や日本の文化に影響を受けた、琉球文化を象徴するような独特の景観の城です。

見たところ、日本の城というよりは、中国の城に近い印象があります。漆による朱色を基調とした鮮やかな彩色が施されており、龍や獅子といった、いかにも中国的なモチーフの彫刻が随所に見られます。現在の首里城は、戦火や失火などにより過去幾度か焼失した後、近年(1992年)復元されたもの。僕が見学した際も復元工事の真っ最中だった。

漁師の浦島太郎が、当時の琉球王朝の最盛期の王城に滞在したのだとすれば、竜宮城の描写が見たこともないような美しい楽園であったように感じるだろう。

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戦火や失火により、4度の焼失と再建を繰り返してきた首里城正殿の遺構は、城の地下にある。現在の首里城正殿は、本来の遺構を保護するため、約70㎝ほどかさ上げして建築されているという。つまり、今ある首里城正殿は1992年に土台の上に再建築されたもので、現代になって再現されたものだという事です。以前お伝えした大阪城みたいですね。

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首里城を見ると、琉球王国がいかに中国の影響を受けているかがよく分かる。写真の正殿内の国王の玉座をはじめ、建物内の柱には龍が描かれている。

それもそのはず、琉球王国は明王朝(当時の中国)と密接な交流(朝貢)があり、明王朝から属国の印として金印が送られているのだ。明王朝から見た、当時の琉球王国の地位はチベットと同格であったらしい。明王朝の後の清王朝とも同様に交易を行ったという。

その後、薩摩による侵攻などがあり、1871年に「琉球処分」となり、琉球王国を国家としてではなく令制国(日本の地方行政区分)として扱い、鹿児島県に編入する事となった。

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高台に建てられた首里城から見下ろす、首里の街並み。城壁に曲線が用いられ、明らかに日本の城とは異なる造りだ。

琉球王国は、複雑な経緯の中で、中国や日本の文化を吸収しながら繁栄し、独自の文化を形成するに至ったのだが、更に戦後にはアメリカの統治下となってしまう。これが琉球硝子などの、現代の沖縄文化が生まれるきっかけとなってしまうのだから、なんとも皮肉な話だ。

浦島太郎」の話に戻るが、もし浦島太郎が琉球王国にやってきたのだとしたら、この美しい島国で過ごす日々に酔いしれ、時が過ぎるのも忘れて滞在するのも分かる気がする。沖縄での時間の流れは、なぜだかゆったりとしていて、僕が住んでいる東京の時間とは流れが違うように感じる。

浦島太郎が、この楽園での生活にふと我に返った時、故郷では既に長い時間が経過してしまっていたのかもしれない。そんな昔話との関わりを考えると、首里城と沖縄で過ごす日々がより魅力的に見えるから不思議だ。
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2009'10'03(Sat)09:56 [ 沖縄・八重山諸島 ] CM0. TB0 . TOP ▲
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