
インド・ニューデリーで開かれた、女児の堕胎に反対する集会に参加する女子学生たち。
男児は稼ぎ手だが、女児は経済的重荷だと考えられているインドでは、男女の人口差が大きな問題になっています。その要因のひとつは、インドでは女性が結婚して家を出る際に多額の花嫁持参金を用意しなければならないという慣習。生まれてくる子どもが女児だと分かった場合、堕胎や嬰児殺しが急増しており、インドでは胎児の性別判定を行うことを法律で禁止しています。ところが、多くのクリニックでは低額で判定検査を実施しているのだそう。
現在のインドの男女比は、男児1000人に対し女児914人となっており、特に問題が深刻化しているジャム・カシミール州の0~6歳の年齢層では、男児1000人に対し女児859人で、不自然なほど女性の比率が少ないんです。国連の世界人口統計では、男女比の世界平均は、男児1000人に対し女児984人なのだそうで、世界的に見て大幅に均衡が崩れていると言えます。
そんなバックグラウンドを持つインドで、花嫁持参金をテーマにしたオンラインゲームが注目を集めています。花嫁持参金を要求する欲張りな新郎候補を倒すゲームなんです。
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インド・ムンバイの路上で、花嫁持参金の根絶を訴える活動家。
以下、AFPより抜粋
生まれてくる子どもが女児だと分かった場合の堕胎や嬰児殺しが急増しているインド、ジャム・カシミール州は、対策として、出産前の性別判定検査を行っている人物に関する情報を提供した場合には報奨金を支払う方針を発表した。通報者には全員2万5000ルピー(約3万7000円)の報奨金を付与するし、通報者の名前は公開しないのだという。(2011年11月12日)
「Shaadi.com」が提供するオンラインゲーム、“Angry Brides” のスタート画面。
花嫁持参金の要求が禁じられているインドで、これをテーマにしたオンラインゲーム「Angry Brides(怒れる花嫁)」に注目が集まっている。米SNSフェイスブック(Facebook)では、既に27万以上の「いいね!」ボタンが押された。オンライン結婚相談サービス「Shaadi.com」が提供している同ゲームは、世界中で大ヒットした「アングリーバード(Angry Birds)」にインスパイアされたという。花嫁持参金を要求する欲張りな新郎候補を、赤いピンヒールやほうきなどの武器を駆使して倒すのが目的だ。新郎候補は、エンジニア、医者、パイロットの3人。プレーヤーの攻撃を巧みにかわしながら、150万ルピー(約227万円)以上の花嫁持参金の要求を要求してくる。プレーヤーが新郎候補を1人倒すごとに、仮想の反持参金基金への募金が行われる仕組みとなっている。ゲームは、フェイスブック上で無料で提供されている。
ゲーム内容は極めてシンプル。武器を選んで新郎候補を撃退するというもの。
インドでは1961年以降、花嫁持参金・贈答品の要求および支払いが禁止されているが、この伝統は数百年来のもので、現在でも根強く続いている。花嫁持参金の要求拒否により、花嫁の虐待さらには殺害に発展することもしばしばあるという。国家犯罪統計局(National Crime Records Bureau、NCRB)によると、インドでは2010年、花嫁持参金関連で8391人の女性が死亡しており、また女性に対する犯罪の44%が夫によるものだったという。(AFP)
男女比が大きく崩れ、将来的に女性の比率が大幅に減少する見通しのインド。そうなった場合、インドの国民意識に大きな変化が見られるのだろうか。今後が気になるところだ。
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