見上げれば、そのすべては自由なのだから  GOLD EXPERIENCE: 世界を旅する黄金体験
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サハラ砂漠、夜の宴
モロッコ、“メルズーガの大砂丘”(Merzouga)から出発し、僕たちのラクダのキャラバンは奥へ奥へと進み、日没後にようやくキャンプへとたどり着いたのだった。

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キャンプを囲む巨大な砂の山。

砂の山に囲まれたキャンプは、敷地を囲むように大型のテントがいくつかあるものの、キャンプの周囲には、少なくとも見渡す限り、建造物はおろか人の気配すらない陸の孤島だった。

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空にはまだ太陽の紅が残っていた。

誰がどうしようと提案したわけではない。しかし、僕たちは皆、キャンプを囲む巨大な砂の山のひとつに向かって走り出していた。おそらく誰もが「まだ間に合う」と思ったのだろう。

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まだ空は明るいのに、まるで天の川のような無数の星々が輝いていた。

確かに太陽は、ずいぶん前に沈んだはずだった。しかし、夜の帳は完全には下りてはいなかった。西の空には依然太陽の名残があって、それは美しい紅を発していた。

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砂の山の山頂。その先には絶景が広がっていた。

実際に登ると、砂の山は想像以上に巨大だった。一歩足を踏み出す度に砂に足を取られた。僕はサンダルを脱いで山の頂上を目指した。日没後の砂漠の砂はひんやりと冷たかった。

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山頂に跨がるようにして座り、銀河のような無数の星々が輝く空を眺めた。

砂漠の乾いた空気に息切れしながら、それでも勢いを緩めずひたすら登り続けた。鋭角な砂の山の頂上は目の前に迫っていた。その先には 「圧倒的ななにか」が存在しているはずだ。

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一眼レフじゃないからうまく撮れてはいないけど、言葉では表現できないほど素晴らしかった。

砂山の山頂からの絶景に、皆言葉を発するのも忘れ見とれた。夕暮れ時のパープルの空には、まだ明るいのに銀河のような無数の星が輝いていたが、いつのまにか夜の闇に包まれていた。僕たちは鋭角な砂山の頂上に跨がるように座り、時に寝転がり、美しい銀河の空を眺めた。

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竹のような細木を組み合わせて建てた大型のテント。

キャンプに戻ると、ベルベル人ガイドの家族が夕食の準備をしてくれていた。僕たちはテントのひとつに集まり、食卓を囲んだ。天井から吊り下げられた裸電球が、煌煌と輝いていた。

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鉄皿に盛られたタジン。ここが砂漠の中とは思えないほどの素晴らしい味だった。

しばらくするとテーブルに大きな鉄皿が運ばれてきた。鉄皿には、モロッコの煮込み料理 “タジン”(Tajine)が山盛りだった。モロッコパンと一緒に、皆で鉄皿のタジンをつついた。

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サイドにはモロッコパンとミントティー。シンプルだが妙な満足感があった。

モロッコで食べた食べ物で一番おいしかったもの───僕はこのタジンを候補に入れたい。そのくらいうまかった。特に、しっかり煮込まれた大振りのジャガイモが最高だった。お腹も空いていたし夢中で食べたが、山盛りのタジンはすごい量で、結局すべては食べきれなかった。

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ベルベル人ガイドの演奏。皆で太鼓を叩いたのは良い思い出。

食後のミントティーを飲みながら、ガイドのベルベル人を交えて、いろいろなことを話した。しばらくすると彼が大きなベルベル太鼓をたくさん持ってきた。それを僕たちに1つずつ渡し、彼の太鼓のリズムに合わせて皆で叩いた。太鼓のリズムは徐々にスピードアップし、そのうち腕が痙攣するほど激しくなった。テントの中を、太鼓の音色と笑い声が溢れた。

最後に彼が演奏してくれて、楽しかった夜の宴は幕を閉じた。おいしい食事と、食後の楽しい一時に満足し、ベルベル人のもてなしの心を感じることができた。そんな心に残る夜だった。




  
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2013'01'17(Thu)19:04 [ サハラ砂漠 ] CM0. TB0 . TOP ▲
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