見上げれば、そのすべては自由なのだから  GOLD EXPERIENCE: 世界を旅する黄金体験
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セビーリャ、グアダルキビル川のほとり
セビーリャの街を縦断するように流れるグアダルキビル川のほとりには、川に沿って石畳の道が通っている。道幅はかなり広く、地元の人々のフリースペースとなっている。

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レンガを散りばめた、美しい石畳の道。

11月とは思えないほどの午後のポカポカ陽気の中、グアダルキビル川のほとりで佇んでいると、なにやら頭がボンヤリして思考できなくなり、そのうち強烈な睡魔が襲ってきた。

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川には観光用のフェリーも運行している。乗客はまばらだ。

川沿いの道は、十分すぎるほどのスペースがあり、石畳の地面にはゴミひとつ落ちていない。おまけに午後の一番いい時間帯なのにも関わらず、人がほとんどいなかった。

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道行く人々を見ていると、健康的な生き方をしているのがよく分かる。

ただのんびりとした午後の時間が流れていて、それはある意味、これまでの旅の、たとえばモロッコ・マラケシュのスークの喧噪などと比べると、不自然なほどの静けさだった。

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もう冬なのに、Tシャツ1枚でまったく問題ないほどのポカポカ陽気。

リラックスしてしばらく川を眺めていたが、重い腰を上げ川沿いを歩いてみることにした。自転車に乗る人やランニングをする人など、皆思い思いの時間を過ごしていた。

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この街は本当に変わっている。そして、本来はそうあるべきなのかもしれない。

地上の楽園───ふとそんなイメージが頭に浮かんだ。冬を感じさせない陽気。ゴミがほとんどない美しい街。人々で混みあうことなく、皆のんびりとした空気の中で過ごしている。

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サン・テルモ橋は、街の中央に架かるメインの橋。

考えながら川沿いを歩いていると、いつのまにか “サン・テルモ橋”(Puente de San Telmo)に着いていた。夕方に差しかかっていたが、陽はまだ傾きはじめたばかりだ。

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ベンチや電柱などの建造物のデザインが美しいのも特筆すべきところだ。

再び街の中心部へ。ベンチでは、人々がのんびり午後の時間を過ごしている。カフェやレストランは活気に満ちていて、どの店も人で賑わい、皆おしゃべりに夢中だ。

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街の随所に設置されたベンチでくつろぐ人々。(左)観光用の馬車も。(右)

今まで、こんな不思議な・・・いや、不自然な街を訪れたことはなかった。この世界で、圧倒的に欠けているもの。それは「時間」の概念。まるで時間が止まっているような感覚を覚えた。

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街の中心部には、路面電車が走っている。短い距離なので、存在意義は微妙ではある。

誰も急いでいないし、まるで仕事や用事など存在しないかのようなのだ。もしかしたら「シエスタ」のせいかもしれないが、日常生活の中に、リラックスが溶け込んでいるかのようだ。

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午後のひとときを、カフェで友人たちと過ごす地元の人々。

しかしその反面、昨今のスペインの経済危機の要因のひとつも、なんとなく分かった気がした。この頑張らない空気、穏やかすぎる空気は、ビジネスや経済とは対極的なものだ。2011年には失業率25%を越えたスペイン。若年失業率は52%を超えている。この数字は、先進国全体の平均の3倍以上なのだという。ところがなぜかその片鱗さえも感じさせない、美しく穏やかなセビーリャの街。まるでここだけ隔離された別世界のようだ。観光の街だからなのか、はたまた飲食店が潤っているからなのか。僕はこの「地上の楽園」が、不思議でならなかった。




  
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2013'09'12(Thu)17:50 [ セビーリャ ] CM0. TB0 . TOP ▲
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