見上げれば、そのすべては自由なのだから  GOLD EXPERIENCE: 世界を旅する黄金体験
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モロッコ、フェズの王宮と旧市街
大きな石造りの門(ジェバラ門)をくぐると、緑の生い茂るのどかな風景から、人々が行き交う雑多なスークへと雰囲気がガラリと変わった。モロッコ、“フェズ”(Fez)の旧市街だ。

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門をくぐると雰囲気がガラリと変わる。ここから旧市街になる。

とは言ってもここはまだ旧市街の入り口。奥へと進めばより活気のあるスークがあるはずだ。僕たちはまず広大な旧市街の西側を大きく占有している王宮(Dar el Makhzen)を目指した。

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王宮へつながるフランセ通りは優雅さが漂っている。奥に見えるのが王宮だ。

王宮と旧市街を結ぶ大通り “フランセ通り” は、商店の類もなく人通りはまばらだ。それでいて道幅は広く、道の両脇にはたくさんの緑が植えられているので、どことなく優雅な雰囲気だ。

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王宮手前の広場。旧市街の入り口であり、起点となる場所だ。

王宮はかつての王たちの居城であり、何世紀にもわたり増改築が施された。現在はモロッコ国王がフェズ滞在のときに使われるのだそう。王宮手前にはだだっ広い広場がある。

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スークの中へと入る前に、休憩することにした。先はまだ長い。

残念ながら王宮に入る事はできない。僕たちは再び旧市街に向かって歩いた。いつのまにかすっかり夕方になっていた。僕たちは広大なスークに入る前に休憩をとることにした。

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大振りのグラスに、ミントの葉がいっぱい詰まったミントティー。

一度雑多なスークに足を踏み入れると、休憩できる場所を見つけるのは一苦労だ。スーク手前のカフェでミントティーを頼んだら、立派なグラスにミントの葉がどっさり入っていた。

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マラケシュのスークとは明らかに雰囲気が違う。

体力を回復したらスークを奥へと進んでいく。フェズの旧市街は、マラケシュのフナ広場(ジャマ・エル・フナ)のようなものはないが、スークの活気はフェズの方があるような気がした。

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細道に、露店が所狭しと連なっている。

マラケシュのスークは広範囲に広がっていて、純粋に規模だけ見ればフェズよりも大きいが、少しエリアを外れると閑散としているので、フェズのほうがマーケットが凝縮している印象だ。

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革製品のスーク。見はじめたらキリがないほどのバリエーション。

初日なので、商品を横目に歩けるだけ歩くことにしたのだが、パッと商品を見る限り、マラケシュのものよりクオリティが高そうだった。さすが職人の街というところだろうか。

迷路のように広がるスークを、思うままに奥へ奥へと進んでいく。革製品のスークを歩く頃には、日が暮れて夜になっていた。通りを照らす裸電球が辺りを黄色に染めていた。




  




2013'04'02(Tue)19:20 [ フェズ ] CM0. TB0 . TOP ▲
フェズのホテルと新市街
モロッコ、“フェズ”(Fez)の朝。前日タクシーで、サハラ砂漠からフェズへ一気にショートカットした僕と先生。窓の外には、アフリカ大陸の澄みきった蒼い空が広がっていた。

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ホテルの一室から見下ろした、ムハンマド5世広場。

フェズの街は、近代的な佇まいの新市街と城壁に囲われた旧市街とに分かれているが、観光客にとって多くの見所があるのはなんといっても1000年以上もの歴史を誇る旧市街だろう。

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フェズの鉄道駅。白を基調とした大きな建造物だ。

僕たちはまず、新市街を歩いてみることにした。宿泊しているホテルのあるムハンマド5世広場から、目抜き通りのムハンマド5世通りを北に進み、フェズの鉄道駅を目指して歩いた。

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モロッカンスイーツ。クッキーやタルト生地がベースで、とてもおいしい。ケーキもある。

途中、お菓子の専門店を見つけたので、いろいろ試してみようといくつか買ってみた。モロッコのスイーツは、クッキーやタルト生地がベースになっていて、素朴だがとてもおいしい。

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ハッサン2世通りなどの大通りには、洒落た雰囲気のカフェがある。

大通り沿いの雰囲気のいいカフェで、朝のミントティーを飲みながら、朝食代わりに先ほど買ったお菓子をパクリ。しばらくカフェでくつろいでから、一旦ホテルに戻ることにした。

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グランド・オテル・ド・フェズのエントランス。古いがしっかりとした佇まいだ。

フェズの初日に僕たちが宿泊したのは、“グランド・オテル・ド・フェズ”(Grand Hotel de Fez)というホテルで、特に特徴があるわけではないが、フェズに到着したのが夜だったので、タクシー乗り場から近く、落ち着いた雰囲気のこのホテルを選んだのだった。

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室内の様子。豪華ではないが、シンプルで清潔感がある。

室内は見ての通りシンプルで、モロッコの都市部のホテル特有の窓のカギが閉まらないというのも相変わらず。だが、モロッコではそれが普通なので、慣れるしかないのだろう。

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色鮮やかなフルーツを、街の至る所で見かけた。

さて、ホテルに荷物を置いて、再び新市街を散策することにした。今度は旧市街を目指して歩いた。街角には様々な種類のフルーツを売る露店がひしめき、パティスリーの一角にもバナナやオレンジなどのフルーツが大量にぶら下がり、モロッコの豊かさが感じられた。

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服屋のショーウインドウ越しにモロッコ装束を眺める。(左)塀の上でくつろぐネコ。(右)

モロッコ装束を売る服屋や、塀の上で日向ぼっこをする猫などを横目に歩いて行く。マラケシュの新市街に比べると、フェズの新市街は引き締まっていて、よりお店が密集しているイメージ。とはいえ、都市部ならではの緊張感はまったくなく、穏やかな空気が流れている。

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新市街にはあまり観光客の姿は見えない。

旧市街の迷路のようなメディナの雰囲気を考えると、リヤドに泊まるなどの特別な目的がないのであれば、フェズの場合は宿泊を新市街にするというのもありかなと思った。

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モロッコ・フェズのマクドナルド。

旧市街に向かう通りの手前に、マクドナルドがある。すっかりお昼の時間帯になっていたので、僕たちは緑が植えられたオープンテラス席でランチを食べることにした。

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モロッコパンを使用した “280 ORIGINAL”(左)と “Chiken Gourmet”(右)。

僕たちが食べた “280 ORIGINAL” と “Chiken Gourmet” は、バンズにモロッコパンを使用したいわゆるご当地バーガーで、ちょっと高級感があっておいしかった。

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旧市街への道。こののどかな雰囲気が、旧市街に一歩足を踏み入れるとガラリと変わる。

ランチを終え、僕たちは再び旧市街を目指して歩きはじめた。前方に見える大きな門の先が旧市街で、その先には王宮もある。旧市街への通り “リベルテ通り”(Ave. de la Liberte) を歩いているのは僕たちだけだった。街の規模的には比較的歩きやすいが、多くの人は移動に車を使うのだろう。午後の柔らかな陽差しに照らされた、緑の多い道を歩くのは心地よかった。




  




2013'03'18(Mon)20:49 [ フェズ ] CM0. TB0 . TOP ▲
モロッコ、タクシーでミデルトからフェズへ
モロッコ北部の内陸都市 “フェズ”(Fez)を目指して、“リッサニ”(Rissani)からタクシーで広大なモロッコの国土を縦断する途中、“ミデルト”(Midelt)の町で休憩を取ることにした。

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ミデルトのメインストリート。通りの両脇に車が駐まり、開けた雰囲気だ。

ミデルト(ベルベル語で「中心」を意味する)という名前の通り、この街はエルフード周辺の砂漠地帯の街とフェズ周辺の都市部とのちょうど中間に位置する街だ。

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メインストリート沿いの大衆食堂で食事をすることにした。

そのため、街のメインストリートには僕たち同様に車で移動する人々で活気があった。ドライバーのお気に入りの店があるというので、僕たちはその店で食事をすることに。

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食堂の隣にはなぜか肉屋が。

いわゆる大衆食堂なのだが、通りに面したテーブル席のすぐ隣に肉屋があって、さばいた牛肉の塊が豪快にぶら下がっていた。正直言ってその時点で食欲を失うところなのだが・・・。

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バラバラの肉塊と生首を眺めながら、ランチを楽し・・・めないよね、普通は。

ふと見ると、肉屋の入り口に巨大な牛の頭がぶら下がっていた。肉は大きな釣り針のようなもので引っかけてあるのだが、僕たちが座るテーブル席から2mと離れていない場所に、牛の生首と肉塊がぶら下がっているのだから、いくら大衆食堂とはいえ相当異様な光景だ。

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香ばしい肉の香りが食欲をそそる。

視線を肉屋の方に向けず、テーブル席から通りの方を見ると、七輪のような網の上で肉をジュージューと焼いていた。なかなかうまそうだったので食べてみることにした。

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いわゆるケバブ。パンは少ししかないので、肉だけを食べてる感じ。

ミントティーを飲みながらしばらくくつろいでいると、注文した肉が。味はまずまず。地元の人たちが立ち寄る大衆食堂の味で、ボリュームはそんなになかったが安かった。

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平坦な大地だが、砂漠地帯に比べると緑がまばらに生えている。

十分な休息を取り、僕たちは再びタクシーに乗り込んだ。オートアトラスを越えたとはいえ、地図上ではまだ半分以上も距離がある。僕たちを乗せたタクシーは、一直線に伸びた道路を猛スピードで駆け抜けた。山岳地帯を抜け、起伏の少ない平坦な大地が広がっていた。

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いつのまにか夕方になっていた。バスだったらきっと深夜になっていただろう。

夕方になりフェズに近づいてくると、ドライバーが「今日は国王の祝日だから街を迂回するルートにする」などと言いはじめた。その時点で僕にはドライバーの意図がなんとなく分かっていた。「どうせフェズに着いたら特別料金とか言ってふっかけてくるんだろうな」と。

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ピザ(左)とカネロニ(右)。味はお察しの通り。でも食べたかったんだよう−!

夜の帳が降りはじめ、少し薄暗くなった頃、僕たちはフェズに着いた。フェズのタクシー乗り場で、案の定、ドライバーは特別料金だと言って請求してきた。そもそも料金は先払いで、迂回の理由の祝日とやらも怪しい・・・というかミエミエだった。もちろんそんなドライバーの言い分など通るはずもなく、彼は結局しばらくごねていたが無理だと感じたのか諦めた。

僕たち3人は旧市街の入り口まで一緒に歩き、そこで歯医者さんの女の子とは一旦別れた。彼女はその夜は旧市街のリヤドに予約をしているのだそうだ。僕と先生は、その夜の宿を探すべく、新市街を歩いた。長距離の車での移動で疲れていたし、腹ぺこだった。とりあえず手頃なホテルを見つけ、荷物を降ろして、ホテルの食堂で食事をした。ピザとカネロニという、なんとなくイタリアンっぽいものを食べたが、想像通り味は大したことは無かった。その後、2人で軽く夜の新市街を散策したが、疲れが溜まっていたので早々にホテルに戻ったのだった。




  




2013'03'07(Thu)20:26 [ モロッコ ] CM0. TB0 . TOP ▲
モロッコ、タクシーで大陸縦断の旅
サハラ砂漠ツアー “Sahara Expedition”(サハラ・エクスペディション)のプランでは、サハラ砂漠に滞在した後は、一路モロッコ・マラケシュへと戻ることになっている。

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途中下車したリッサニの町。ガランとした印象の小さな町だ。

僕と先生にはこのツアーに参加する前から考えていた旅のプランがあった。それは、マラケシュには戻らずに途中下車し、何らかの交通手段で “フェズ”(Fez)に向かうというものだ。

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大通りの左手がタクシー乗り場。タクシー乗り場を仕切っているリーダー格の男性と交渉した。

限りある日程の中で、「戻らずに進む」という選択が可能であれば、それは大きな短縮になるし、イレギュラーなルートを選択したからこそ経験できるものがあるだろうと思っていた。

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ベンツのタクシーの中はドライバーの趣味に染まっていた。乗り心地は悪くない。

フェズはモロッコ屈指の職人街があることで有名で、マラケシュに負けず劣らずの大規模な都市だ。モロッコを旅するなら絶対に訪れたいと思っていた場所だ。その話を他のメンバーに話すと、歯科医をしている日本人の女の子も僕たちと一緒に行きたいと言ってきた。

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サハラ砂漠の近くは、乾いた砂漠質の荒れ地が広がっている。

僕たちがその旨をドライバーに伝えると、彼は快く承諾してくれた。サハラの入り口 “メルズーガ” からすぐ近くの “リッサニ”(Rissani)の町からバスが出ているというので、その町で降ろしてもらうことにした。リッサニに到着し、バスステーション付近で僕たちはバンを降りた。

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湖、いや貯水池だろうか。草木のない乾いた荒れ地に大きな水場があった。

ドライバーとオーストラリア人の女の子と別れの挨拶を交わし、僕たちは近くにあるバスステーションへと向かった。こういったシチュエーションで、フランス語が話せる先生の存在は有り難かった。僕はフランスで生まれたくせに、たいしてフランス語は話せないのだ。

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放牧されたヤギが食べる草は豊富とは言えない。(左)徐々に隆起した山が増えてきた。(右)

生まれ育ったカナダがフランス語と英語が公用語で、高校時代をフランスで過ごした先生のネイティブなフランス語の発音に現地の人も驚くほどで、まるで水を得た魚のようだった。

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いつのまにか山岳地帯へと突入。曲がりくねった峠道が続く。

バスステーションのカウンターでバスの巡航ルートや発着時間を確認すると、乗り継ぎが必要だったり、長時間かかり到着が夜中になったりと、思ったより面倒だったので、思い切ってタクシーを利用してみようということになった。早速僕たちはタクシー乗り場を探した。

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山々の切れ目から、山脈の先の大地が垣間見える。

タクシー乗り場・・・と言っても町の大通りにタクシーが並んでいるだけの場所だったが、ドライバーと交渉し、僕たちはタクシーに乗り込んだ。3人でシェアすれば、運賃はかなりお得だった。タクシーはベンツ製で、インテリアにドライバーの趣味が反映されていた。

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高台からはるか地平線の果てまで見下ろす、モロッコの大地。

僕たち3人を乗せたタクシーは、一路フェズを目指してリッサニを出発した。リッサニからフェズまでのルートは、かなりの長距離で、ほとんどモロッコの国土を縦断するような感覚だ。

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ついに念願のオート・アトラス越えを果たした。なんと雄大な風景だろうか。

途中、“オート・アトラス”(Haut Atlas)という山脈地帯を越えなければならない。モロッコを南北に隔てるオート・アトラスは最も高い山で4167mもある、3000〜4000m級の山々が連なる険しい山脈で、だからこそ雄大な風景を堪能できるモロッコの旅の醍醐味とも言えるルートだ。

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山に何やら文字が書いてある。残念ながら読めないが、独特の風情がある。

バスではなくタクシーを選択したことは、大成功だった。タクシーは飛ぶようなスピードでモロッコの大地を駆け抜け、意思の疎通ができる旅の道連れが3人いることで、安心感もあった。

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休憩ポイントに立ち寄ったミデルトの町。砂漠の町に比べ、活気があり開けた雰囲気だ。

荒れ地を越え、川や貯水池を横目に山岳地帯へと入り、オート・アトラスを抜けると、開けた大地へと出た。それでもタクシーはノン・ストップで走り続けた。ドライバーの提案で、ちょうどリッサニとフェズとの中間地点にある “ミデルト”(Midelt)の町で休憩を取ることにした。

僕たちはタクシーを降り、ミデルトの町に降り立ったのだった。




  




2013'02'24(Sun)00:11 [ モロッコ ] CM0. TB0 . TOP ▲
サハラ砂漠のサンライズ
明け方、まだ陽が昇る前に僕たちはテントの外へ出た。まだ外は薄暗かった。

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キャンプ入り口で座り込むラクダたち。地面には彼らの印である糞が無数に散らばっている。

ひんやりとした冷たい砂の感触を足の裏に感じながら、キャンプ入り口へと向かった。キャンプの外でラクダたちが、僕たちが来るのをおとなしく座って待っていた。

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僕たちが宿泊したキャンプ。簡易ではあるが、設備はしっかりとしていた。

昨晩は銀河のような星空に夢中になっていたせいか、睡眠不足で頭がぼんやりしていた。出発しようと僕たちはラクダの背に跨がったが、どうもメンバーが1人足りないようだ。

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明け方の薄暗い中を、ラクダのキャラバンが出発する。

しばらくするとオーストラリア人の女の子が眠そうにやってきた。そう言えば昨晩見かけなかったが、彼女も夜中に砂山に登って星空を眺めたのだろうか。きっとそうだろう。

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遠くに見える僕たちのキャンプ。こうして見ると、砂山がいかに巨大かよく分かる。

メンバーが揃い、僕たちのラクダのキャラバンは出発した。今日はキャンプを出て、再びサハラの入り口へと戻る日だ。僕たちが過ごしたキャンプがみるみる遠ざかっていく。

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早朝のサハラ砂漠には雲が出ていた。東の空が紅く染まっていた。

いつのまにか空に蒼味が増し、明るくなっていた。まだ太陽は昇っていないが、遠くの空が紅く染まりはじめていた。うっすらと漂う雲が、空により味わい深い表情を与えていた。

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見晴らしのいい小高い丘から、サハラ砂漠を見渡す。

砂漠に、ザクッザクッと一定のリズムで足を踏み出すラクダたちの足音だけが響いた。僕は夢中でカメラのシャッターを切った。どうもラクダに乗るのに少し慣れたようだ。

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鮮やかなブルーのベルベル装束に身を包んだ「砂漠の民」。

どの位移動しただろうか。僕たちのキャラバンは、見晴らしのいい小高い砂丘の上にいた。ベルベル人ガイドが休憩しようと言うので、僕たちはラクダから降りた。

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サハラの日の出。太陽が昇った瞬間、ありとあらゆるものが変化した。

砂丘の上から見渡すと、はるか遠くの地平線の果てまで延々と砂の山が連なっていた。その砂山の1つ1つが、きっと登るのさえ容易ではないほどの大きさなのだ。

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急激に大気が暖まり、ラクダたちも気持ちよさそうだ。

あまりの絶景に言葉を失って見つめていると、突然はるか遠くの地平線からギラギラと金色に輝くものが姿を現した。太陽は姿を現すや否や、強烈な輝きを放ちはじめた。

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モロッコ、メルズーガの砂丘入り口に戻って来た。遠くにホテルのような大型の建造物が見える。

砂漠が太陽に照らされると、まるで砂たちが息を吹き返したかのように鮮やかな褐色に染まり、砂にはっきりとした陰影が付いた。同時に大気が急激に暖まっていくのを感じた。

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先ほどに比べ、太陽が随分上に昇った。それにしても太陽がデカい。

今まで、旅先で数え切れないほどの日の出を見てきたが、かつてこれほどまでに太陽にパワーを感じたことがあっただろうか。それくらい、砂漠に存在するあらゆるものがガラリと変化したのだ。おそらく日中になると、この太陽がジリジリと旅人の体力を奪う凶悪な存在へと変貌を遂げるに違いなかったが、朝の太陽が照らす砂漠の神秘的な姿に、深い感動を覚えた。




  




2013'02'08(Fri)19:55 [ サハラ砂漠 ] CM2. TB0 . TOP ▲